“数字を伸ばす経営”から、“人を活かす経営”へ――BNIと歩んだ15年

2026/06/16

宮川 大作(みやがわ だいさく)
チャプター:BNI 情熱(大阪セントラル)
カテゴリー:生花店

2021年、BNI ジャパンブログで「夢をみんなで共有するから、叶うスピードが早くなる。」と紹介された宮川大作さん。

ブログはこちら https://blog.bni.jp/699/

あれから5年。現在、宮川さんの会社は年商14億円規模、31拠点・240名体制へと成長している。しかしそれよりも印象的なのは、事業規模以上に、経営者としての視座の変化であった。

「売上をつくる」から、「人が長く働ける環境をつくる」へ。

「自社の利益」から、「地域や他社の困りごとを解決する」へ。

BNIとともに歩んだ15年を振り返ってもらった。

「BNI情熱」とともに歩んだ会社の歴史

宮川さんがBNIに出会ったのは、独立を決意したタイミングだった。前職に退職届を提出したその日、ある人から「宮川さんにぴったりな会がある」と紹介されたのがきっかけだったという。

当時、既存チャプターではフラワー事業カテゴリーが埋まっていた。しかし、不動産、生命保険、税理士のメンバー候補とともに、新たなチャプター「BNI情熱」を立ち上げる流れとなった。宮川さんは2011年9月に会社を創業したが、その直前の出来事だった。

独立時、前職から顧客を引き継ぐことはできなかった。完全なゼロスタートの宮川さんに、顧客や人脈を紹介してくれたのが同じチャプターのメンバーだった。

「0から1にしてくれたのは、BNIとメンバーだったと思います。だから本当に、BNI情熱とともに歩んできた感覚があります」

創業当初は、月数十万円の受注を得るために必死だった。しかし現在では、BNI経由の仕事だけで年間約2,000万円規模になっているという。しかし宮川さんの会社と彼自身の変化は、単なる売上成長ではなかった。

困りごと解決が、事業拡大の原点

現在、宮川さんの会社では、フラワー事業やブライダル装花に加え、保育園、訪問看護、放課後等デイサービス、サッカースクール、ダンススクールなど、多角的な事業を展開している。その背景には、「人が長く働ける環境をつくりたい」という思いがある。

「花屋は、職人として一人前になるまで5、6年かかります。でも、従業員がやっと育った頃に、結婚や出産で辞めてしまうことが多かった。だから、子どもを預けながら働ける会社にしたいと思いました」

そこから保育園事業が始まった。しかも、一般的な保育園とは少し違う。日曜・祝日も開園し、要望があれば夜10時まで対応する。

「子どもにフォーカスしているというより、働くお母さんのためにつくっている感覚ですね」

さらに、保育園の近くに訪問看護ステーションも展開。医療的ケア児を受け入れられる体制づくりにも取り組んでいる。

「医療的ケアの必要な子どもは、預かってくれる場所が本当に少ない。でも、それを受け入れられたら、地域にも貢献できるし、選ばれる保育園にもなると思いました」

こうした事業展開の背景には、常に誰かの困りごとがある。放課後等デイサービスも、運営に悩む経営者から相談を受けたことがきっかけだった。

「最初は相談に乗っていただけでした。でも最後には『宮川さんに買い取ってもらい、全てを任せたい』という話になりました」

福岡進出も同様だった。結婚式場案件の相談をきっかけに現地のウェディングプランナーとつながり、最終的にはグループに迎え入れる形となった。単なる多角化ではない。人の課題を解決し続けた結果、事業が広がっていったのである。

BNIで学んだのは、経営

宮川さんは、BNIで得たものとして「営業力」以上に、「経営者としての成長」を挙げる。

特に大きかったのが、問題解決能力だという。

「経営者に一番大事なことは、問題解決能力だと思っています。いわゆるトラブルシューティングですね」

BNIでは、多様な業界の経営者から日々相談が持ち込まれる。

「他社で起きている問題は、自分の会社でも起こり得ることです。だから、そこに向き合って解決することは相手への貢献にもなり、かつ、自社の財産にもなります」

また、チャプター運営で培った経験は、自社の組織運営にも活かされている。3か月ごとの面談、数値の可視化、1 to 1シートの活用。

そのほかにも、相手の夢を肯定し、それぞれの目標を応援する文化を大切にしている。「任せて、責任は取る」という考え方も、BNIでの経験が土台になっているという。

「従業員は、会社の目標(私の夢)を実現するために協力してくれています。でも、みんなにも夢があるから、それを応援する。そんなスタンスです」

BNIを卒業しようと思ったことはない

自社の売上や成長を求めて入ったBNI。しかし、15年を経た今、宮川さんは、BNIを「仕事をもらう場所」ではなく、「経営者としての自分を磨き続ける場」だと捉えている。

メンバーを、目の前の相手を理解し、その人に貢献する。その貢献の先に、事業拡大という未来が描かれていく。ただし、貢献できる範囲は自分の力量次第だとも宮川さんは言う。
「相手の根本的な問題を解決するには、経営者として自分の価値を上げ続けるしかない」
だから発信することも欠かさない。やりたいことも、困っていることも、伝えなければ誰にも届かないからだ。

「経営者として成長できるから、BNIを卒業しようと思ったことがないですね」

その言葉には、今もなお学び続ける経営者の姿勢がにじんでいた。

文=国場みの