ネットワーキンググループの成長サイクル

2023/07/04

全てのネットワーキンググループは、グループが存続する間、何年にもわたってさまざまな成長サイクルを経験することになります。いいときもあれば、悪いときもあります。世界最高レベルのグループでさえも、そのサイクルに苦しんできました。現在、世界で最上位にいるグループでも数年後には、トップではなくなっているかもしれません。大切なことは、さまざまなフェーズを知り、下降期に入るタイミングを認識することです。

私が、BNI®チャプターの成長を過去37年以上にわたり観察してきた結果、4つのフェーズがあることがわかりました。これは、BNI®に限らず、全てのネットワーキンググループにあてはまることです。こうしたフェーズは、必ずしも順番にやってくるわけではありませんし、どのくらいの期間続くのかについても、グループメンバーの対応次第で変わります。

絶好調フェーズ

最初のフェーズは、「絶好調フェーズ」と呼んでいます。この一番上のサイクルに入っているグループは、最大の勢いがあり、最高の結果を出し、もっとも生産性が高いグループです。リーダーシップチームは、成功のために確立された体系と手順に従って実行することに全力を傾けます。

そして、このフェーズにいるチャプターのメンバーは、多くの利益が生み出される人脈とリファーラルにつながる関係性を築くために時間を投資するなど、積極的な姿勢で参加しています。グループの雰囲気も沸き立っています。このグループは、「卓越」という選択肢がある場合、「月並み」に甘んじることはありません。

発展フェーズ

二番目のフェーズは、「発展フェーズ」です。このサイクルにあるグループは、高いエネルギーにあふれ、メンバーの態度も積極的。お互いにサポートしあうという素晴らしい文化を持ち、友好的な雰囲気の中で活動しています。グループには、平均以上の能力を持つメンバーが所属し、お互いに高い責任感をもって行動します。

さらに、ビジネスの関係を深く構築し、楽しみながら、しっかりとした枠組みの中で、体系的に活動しているので、平均的なチャプターよりも、より多くのビジネスが取り交わされています。非常に効率が良く、生産性の高いフェーズです。

現状維持フェーズ

このサイクルの段階にあるグループは、少々自己満足な状態に陥っています。以前は発展的なチャプターだったのかもしれませんが、うまくいっていたときの活気が失われているのです。もしかしたら、成長することを諦め始め、月並みの状態でいることを受け入れてしまった小規模なチャプターなのかもしれません。現状で問題ないと考え、現在、得ているビジネスの規模で良しとしてしまっているのです。

その状況を改善しようという考えや、メンバーの質をあげる、メンバー数を増やすという前向きな気持ちを持っておらず、組織運営のために必要な仕組みやプロセスに従っているのかどうかも定かではありません。熱意を失っている状態です。現状維持を続けるネットワーキンググループは、「卓越」という選択肢があるのに、「月並み」であることを受け入れようとするグループのお手本のようなものです。

停滞フェーズ

このフェーズにあるネットワーキンググループは、メンバーの参加態度、リファーラルの質や数、欠席率の多さなど多くの問題を抱えています。このようなグループのメンバーの多くは、積極的に問題を解決することよりも、問題ばかりに目を向けているのだと思われます。

こうしたチャプターは、最も「抵抗の少ない道」を行こうとし、成長するために必要な労力を面倒だと考えています。メンバーたちは、組織によって確立されたアジェンダや仕組み、方針に従うということもしません。必要な指導やアドバイスさえも拒みます。メンバーの中には、関心を失い、このグループに所属していることが自分の役立っているとも感じられず、グループを去っていきます。でも、それはそれで構いません

私は、これを「引き算による足し算」と呼んでいます。時に、成長させるためにチャプターのサイズを縮小するべきときがあります。いわば、バラを育てるのと同じです。バラを成長させ、花を咲かせるためには、剪定をする必要があります。もし退会するメンバーが、特にネガティブな問題にフォーカスする人であれば、そのメンバーが退会することでかえってチャプターが成長し、繁栄するいい機会にもなりえます。

ほとんど全てのネットワーキンググループは、この浮き沈みのサイクルを経験しています。成功しているグループは、停滞の時期に入りそうなとき、すぐにそうならない動きを取るので、絶好調と発展のフェーズにいる期間が長くなります。

現状維持と停滞のフェーズにいるグループは、現在自分たちは、4つのサイクルのうちどこにいるのか認識することが大切です。それによって、今抱えている問題解決に取り組むことができ、基本にたち返ることができます。一から立て直す必要はありません。組織によって確立され、すでに実績が出ている仕組みに従うだけで良いのです。

訳=川崎あゆみ