2026/06/30

BNIにおいて、平均27名という高いメンバー数を維持しながら100以上のチャプターを構築してきた実績を持つディレクター、パティ・サルヴッチ氏の手法には、すべてのメンバーが実践できる「チャプター拡大の知恵」が詰まっています。

彼女が提唱する**「Less is More(より少なく語ることは、より多くを得ること)」**というアプローチを中心に、質の高いビジネスネットワークを築くためのポイントを解説します。

1. 「誰でも」ではなく「最高の人」だけを招待する

チャプターを大きくしようとする際、つい「誰でもいいから呼ぼう」と考えがちですが、これは逆効果です。パティ氏が推奨するのは、**「フォーカス・インバイティング(焦点を絞った招待)」**です。

  • 推薦できる人だけを呼ぶ:自分が自信を持ってリファーラルを提供でき、電話をすぐにかけると確信できるプロフェッショナルだけをリストアップします。

  • 「最高の専門家」という言葉の力:招待したい相手、あるいは紹介者に「この街で最高の仕事をする人を探しています」と伝えることで、相手の意識を高め、質の高い層へとリーチできます。

2. 権威ある第三者の人脈を活用する

「知っている人がもういない」と行き詰まったときは、**「誰を知っているかではなく、知っている人を通じて誰に出会うか」**という視点に切り替えましょう。

  • 地域の影響力者に相談する:地域の商工会議所や非営利団体のリーダーなどに、「素晴らしい専門家を紹介してほしい」と依頼します。

  • 紹介の力を借りる:面識のない相手でも、「〇〇さんから、あなたが最高のプロフェッショナルだと伺いました」と伝えることで、最初から高い信頼関係(ラポール)を築いた状態で会話を始められます。

3. 「Less is More(引き算)」のコミュニケーション

招待の際に最も多い失敗は、BNIの仕組みやメリットをすべて説明しようとしてしまうことです。

  • 説明しすぎない:電話や対面での招待は数分以内に留めます。情報を与えすぎると、相手は「もう分かった」と思い、実際にチャプターミーティングに足を運ぶ理由を失ってしまいます。

  • 体験に勝る資料はない:パンフレットを渡すだけでは入会には至りません。パン屑を落とすように少しずつ興味を惹き、「詳しくはミーティングを見てください」と促すことが、ビジターの参加率を高める秘訣です。

4. 枠にとらわれない招待のアプローチ

「私たちの地域は特別だから」「この業種は難しい」という考えは、行動を妨げる言い訳になりかねません。パティ氏が実践した効果的なアプローチを紹介します。

  • 名刺を添えた直接訪問:招待状に自分の名刺を添え、「何かを売るためではなく、素晴らしいネットワーキングの場に招待するために来ました」と短く伝えて歩く。

  • 連鎖的な招待:一人の招待客(例えばウェディングショップのオーナー)が、別の関連業種(イベントプランナー)を連れてくることもあります。一つの質の高い出会いが、複数の新しいメンバー候補を連れてくるきっかけになります。

高い基準が強力なチャプターを作る

パティ氏の成功の鍵は、常に「高い基準」を維持し、それをシンプルに伝え続けたことにあります。

自分たちが誇りに思えるメンバーだけで構成されたチャプターは、自然と魅力的な場となり、結果としてビジネスの成果も最大化されます。次回のミーティングや**メンバー・サクセス・プログラム(MSP)**での学びを活かし、まずは「自分の身近にいる最高のプロフェッショナル」へ声をかけることから始めてみてください。

※本記事は、英語版「The Official BNI Podcast」Episode 27: Less Is More の内容をもとに、日本向けに再構成・編集しています。

2026/06/23

ビジネスの成功において、明確なビジョンを持つことは極めて重要です。そのビジョンをより具体化し、実現を加速させるための手法として、「Act As If…(あたかも~であるかのように振る舞う)」という概念をBNIのチャプターミーティングに取り入れる方法があります。

「Act As If…(かのように振る舞う)」の概念

この手法は、5年後の自分が達成しているであろう姿を、今この瞬間に「既に達成したこと」として振る舞うセルフコーチングの技法に基づいています。理想とする自分にふさわしい服装を選び、その時に交わしているであろう会話をシミュレーションすることで、潜在意識に成功のイメージを焼き付け、目標達成へのプロセスを明確にします。

BNIチャプターでの実践方法

チャプターミーティングを活性化させる特別なアジェンダとして、この「Act As Ifミーティング」を実施することが推奨されます。具体的な手順は以下の通りです。

  1. 事前の準備と告知
    リーダーシップチームは、実施の1〜2週間前にメンバーへ告知を行います。メンバーには、5年後の自分を想定した準備を依頼します。

  2. 服装と小道具(プロップ)の活用
    当日は、5年後の成功した自分にふさわしい服装で出席します。また、成功を象徴する小道具(新しいオフィスの写真、出版した書籍、達成した売上表など)を持参することで、よりリアリティを高めます。

  3. ウィークリープレゼンテーションの変革
    通常のウィークリープレゼンテーションにおいて、「5年後の現在の状況」を報告します。「私のビジネスは現在、従業員が〇名に増え、目標としていた売上を達成しました」というように、現在進行形で語ることがポイントです。

成功させるための重要なポイント

このミーティングの効果を最大化するためには、単なる「仮装」に留めないための工夫が必要です。

  • ストーリーの構築
    自分がどのような道のりを経てその成功を手にしたのか、具体的なストーリーを持って参加します。周囲のメンバーもその設定に合わせて会話を交わすことで、相互にビジョンを強固にします。

  • ビデオによる記録
    ミーティングの様子をビデオで記録しておくことが非常に有効です。これは「タイムカプセル」のような役割を果たします。1年後、2年後にその映像を見返すことで、設定したビジョンに対してどの程度進捗しているかを確認する指標となります。

ビジョンの共有がもたらすメリット

このワークをチャプター全体で行うことには、個人のモチベーション向上以外にも大きなメリットがあります。

メンバー全員が「将来どのようなビジネスを築きたいのか」を具体的に共有することで、互いの長期的な目標への理解が深まります。これは1to1の質を高め、単なる目先の案件紹介を超えた、将来のビジョンを支え合える強固な信頼関係の構築に寄与します。

「Act As If…」という刺激的なアプローチをミーティングに取り入れることで、チャプター全体にポジティブな活力を生み出し、メンバー全員のビジネスの成長を加速させることが可能となります。

※本記事は、英語版「The Official BNI Podcast」Episode 28: “Act As If. . .” for BNI Meetings の内容をもとに、日本向けに再構成・編集しています。

2026/06/16

宮川 大作(みやがわ だいさく)
チャプター:BNI 情熱(大阪セントラル)
カテゴリー:生花店

2021年、BNI ジャパンブログで「夢をみんなで共有するから、叶うスピードが早くなる。」と紹介された宮川大作さん。

ブログはこちら https://blog.bni.jp/699/

あれから5年。現在、宮川さんの会社は年商14億円規模、31拠点・240名体制へと成長している。しかしそれよりも印象的なのは、事業規模以上に、経営者としての視座の変化であった。

「売上をつくる」から、「人が長く働ける環境をつくる」へ。

「自社の利益」から、「地域や他社の困りごとを解決する」へ。

BNIとともに歩んだ15年を振り返ってもらった。

「BNI情熱」とともに歩んだ会社の歴史

宮川さんがBNIに出会ったのは、独立を決意したタイミングだった。前職に退職届を提出したその日、ある人から「宮川さんにぴったりな会がある」と紹介されたのがきっかけだったという。

当時、既存チャプターではフラワー事業カテゴリーが埋まっていた。しかし、不動産、生命保険、税理士のメンバー候補とともに、新たなチャプター「BNI情熱」を立ち上げる流れとなった。宮川さんは2011年9月に会社を創業したが、その直前の出来事だった。

独立時、前職から顧客を引き継ぐことはできなかった。完全なゼロスタートの宮川さんに、顧客や人脈を紹介してくれたのが同じチャプターのメンバーだった。

「0から1にしてくれたのは、BNIとメンバーだったと思います。だから本当に、BNI情熱とともに歩んできた感覚があります」

創業当初は、月数十万円の受注を得るために必死だった。しかし現在では、BNI経由の仕事だけで年間約2,000万円規模になっているという。しかし宮川さんの会社と彼自身の変化は、単なる売上成長ではなかった。

困りごと解決が、事業拡大の原点

現在、宮川さんの会社では、フラワー事業やブライダル装花に加え、保育園、訪問看護、放課後等デイサービス、サッカースクール、ダンススクールなど、多角的な事業を展開している。その背景には、「人が長く働ける環境をつくりたい」という思いがある。

「花屋は、職人として一人前になるまで5、6年かかります。でも、従業員がやっと育った頃に、結婚や出産で辞めてしまうことが多かった。だから、子どもを預けながら働ける会社にしたいと思いました」

そこから保育園事業が始まった。しかも、一般的な保育園とは少し違う。日曜・祝日も開園し、要望があれば夜10時まで対応する。

「子どもにフォーカスしているというより、働くお母さんのためにつくっている感覚ですね」

さらに、保育園の近くに訪問看護ステーションも展開。医療的ケア児を受け入れられる体制づくりにも取り組んでいる。

「医療的ケアの必要な子どもは、預かってくれる場所が本当に少ない。でも、それを受け入れられたら、地域にも貢献できるし、選ばれる保育園にもなると思いました」

こうした事業展開の背景には、常に誰かの困りごとがある。放課後等デイサービスも、運営に悩む経営者から相談を受けたことがきっかけだった。

「最初は相談に乗っていただけでした。でも最後には『宮川さんに買い取ってもらい、全てを任せたい』という話になりました」

福岡進出も同様だった。結婚式場案件の相談をきっかけに現地のウェディングプランナーとつながり、最終的にはグループに迎え入れる形となった。単なる多角化ではない。人の課題を解決し続けた結果、事業が広がっていったのである。

BNIで学んだのは、経営

宮川さんは、BNIで得たものとして「営業力」以上に、「経営者としての成長」を挙げる。

特に大きかったのが、問題解決能力だという。

「経営者に一番大事なことは、問題解決能力だと思っています。いわゆるトラブルシューティングですね」

BNIでは、多様な業界の経営者から日々相談が持ち込まれる。

「他社で起きている問題は、自分の会社でも起こり得ることです。だから、そこに向き合って解決することは相手への貢献にもなり、かつ、自社の財産にもなります」

また、チャプター運営で培った経験は、自社の組織運営にも活かされている。3か月ごとの面談、数値の可視化、1 to 1シートの活用。

そのほかにも、相手の夢を肯定し、それぞれの目標を応援する文化を大切にしている。「任せて、責任は取る」という考え方も、BNIでの経験が土台になっているという。

「従業員は、会社の目標(私の夢)を実現するために協力してくれています。でも、みんなにも夢があるから、それを応援する。そんなスタンスです」

BNIを卒業しようと思ったことはない

自社の売上や成長を求めて入ったBNI。しかし、15年を経た今、宮川さんは、BNIを「仕事をもらう場所」ではなく、「経営者としての自分を磨き続ける場」だと捉えている。

メンバーを、目の前の相手を理解し、その人に貢献する。その貢献の先に、事業拡大という未来が描かれていく。ただし、貢献できる範囲は自分の力量次第だとも宮川さんは言う。
「相手の根本的な問題を解決するには、経営者として自分の価値を上げ続けるしかない」
だから発信することも欠かさない。やりたいことも、困っていることも、伝えなければ誰にも届かないからだ。

「経営者として成長できるから、BNIを卒業しようと思ったことがないですね」

その言葉には、今もなお学び続ける経営者の姿勢がにじんでいた。

文=国場みの

2026/06/09

ビジネスにおいて、リファーラル(紹介)による集客は非常に強力です。しかし、中には「リファーラルはたまたま運が良かっただけだ」と考え、その価値を過小評価してしまう人もいます。なぜリファーラル・マーケティングは、あらゆる業種において持続可能なシステムとして機能するのでしょうか。その本質を解き明かします。

「再現性」の誤解とリファーラルの性質

リファーラル・マーケティングを正しく理解していない人は、その成果を「偶然の産物」だと誤解しがちです。

例えば、あるチャプターのメンバーが、多くのリファーラルを得てビジネスを拡大させていたにもかかわらず、「これらの紹介は単なる偶然の重なりであり、再現性がない」という理由で退会してしまった事例があります。彼は、顧客リストに基づいて電話をかけるような従来のセールス手法こそが「仕組み」であり、リファーラルには明確なメソッドがないと感じていたのです。

しかし、これは「リファーラルそのもの」に注目しすぎて、「リファーラルを生み出した関係性」を見ていないために起こる誤解です。

「網で魚を獲る」ことに似たプロセス

リファーラル・マーケティングのプロセスは、網(ネットワーク)を使って魚を獲る漁に例えることができます。

  • 魚(リファーラル)の視点:網にかかった魚にとっては、それは全くの「不運」や「偶然」に見えるでしょう。

  • 漁師(メンバー)の視点:熟練の漁師にとって、それは決して偶然ではありません。適切な場所を選び、網を投げ、それを何度も繰り返すという「継続的な努力と知識」に基づいた必然のプロセスです。

網のどの部分に、どの魚がかかるかを正確に予測することはできません。しかし、正しい方法で網を投げ続けていれば、一定の質と量の魚が獲れることは予測可能です。リファーラルも同様で、個々のストーリーはユニークで予測不能に見えますが、リファーラルを生み出す「仕組み」そのものは完全に再現可能なのです。

目に見えない繋がりを掘り起こすシステム

リファーラル・マーケティングが優れているのは、日常生活の中に存在する「予測不能で複雑な人間関係の繋がり」を、ビジネスの機会として顕在化させることができる点にあります。

従来のマーケティングではリーチできないような、隠れた人脈や信頼の連鎖を、リファーラルの仕組みが「フェレット(探し出す動物)」のように掘り起こしてくれます。個々の紹介がどのように自分に辿り着いたのか、その波及効果(バタフライ効果)をすべて把握することは困難ですが、その波を生み出しているのは、間違いなくあなたとメンバーとの間に築かれた信頼関係です。

プロセスを信じて網を投げる

リファーラル・マーケティングが「乱雑で不確実なもの」に見えるのは、それが人間同士の深い信頼に基づいているからです。リストの上から順番に電話をかけるような単純な作業ではありません。

成功の鍵は、個々のリファーラルという「結果」に一喜一憂するのではなく、信頼を築き、貢献し、ネットワークを広げるという「プロセス」に集中することです。正しい場所で網を投げ続けていれば、ビジネスという名の「魚」は、必ずあなたの網の中に届けられます。

※本記事は、英語版「The Official BNI Podcast」Episode 26: Why Business Networking Works の内容をもとに、日本向けに再構成・編集しています。

2026/06/02

ビジネスを成長させるためのネットワーキングには、「広さ」と「深さ」の両方が必要です。短時間で多くのプロフェッショナルと接点を持つ「スピードネットワーキング」は、正しく活用することで、BNIが重視する強固な人間関係を構築するための強力な入り口となります。

ここでは、スピードネットワーキングを単なる名刺交換に終わらせず、成果につなげるための具体的な活用法を解説します。

VCPプロセスにおけるスピードネットワーキングの役割

BNIでは、リファーラル(紹介)が交わされるまでに「VCP」というプロセスを辿ります。これは、Visibility(認知)、Credibility(信頼)、Profitability(収益)の頭文字を取ったものです。

スピードネットワーキングは、このプロセスの第一段階である「認知(Visibility)」を確立するために非常に有効なツールです。BNIの定例会が「深い信頼(Credibility)」を築く場であるのに対し、スピードネットワーキングは「ネットワークの幅(広さ)」を広げる役割を担います。この両輪が揃うことで、より強固なビジネス基盤が形成されます。

スピードネットワーキングを成功させる4つのステップ

スピードネットワーキングを効果的に行うには、単に「出会う」だけでなく、戦略的な準備と行動が求められます。

1. 目的を明確にする(Start with the end in mind)

スピードネットワーキングの場は、大きな成約を勝ち取ったり、商品を売り込んだりするための場所ではありません。ここでの目的は「排除」ではなく「包含」です。スピードデートが自分に合わない相手を「排除」するための仕組みであるのに対し、ビジネスにおけるスピードネットワーキングは、将来の「リファーラル・パートナー」になり得る候補者を見つけるための場です。まずは接点を作り、次につなげることを最終目的としましょう。

2. ミニ・インタビューとして進める

自分のビジネスを売り込むのではなく、相手を理解するための「ミニ・インタビュー」という意識で接してください。相手がどのような課題を抱えているか、どのようにすればその人のビジネスを支援できるかを探ります。「ハンティング(狩り)」ではなく「ファーミング(農耕)」の精神で、関係性を育むための種をまくことが重要です。

3. メモを取り、相手を深く知る

短時間の交流では記憶が薄れやすいため、必ずメモを取る習慣をつけましょう。その際、BNIで推奨されている「GAINS」の視点を持つとより効果的です。

  • Goals(目標)

  • Accomplishments(実績)

  • Interests(興味・関心)

  • Networks(人脈)

  • Skills(スキル)
    これらに関する情報を一言添えるだけで、後の信頼構築がスムーズになります。

4. 徹底したフォローアップ

スピードネットワーキングの価値は、その後の行動で決まります。ミーティング後にフォローアップを行わなければ、費やした時間は無駄になってしまいます。
特に有効なのは、相手が抱えていた課題に対する解決策を提示することです。「お話しされていた件について、役に立ちそうな記事を見つけました」「最適な専門家を紹介できます」といったフォローアップは、一気に「信頼(Credibility)」を高めるきっかけとなります。

チャプターでの活用

スピードネットワーキングは、チャプターが主催するビジター向けのイベントや交流会でも有効なアジェンダとなります。活気ある雰囲気の中で多くの接点を生み出し、そこから深い「1to1」へと繋げることで、チャプター全体の活性化とリファーラルの増大が期待できます。

「認知」を広げるスピードネットワーキングと、「信頼」を深めるBNIのシステムを組み合わせ、ビジネスの可能性を最大限に広げていきましょう。

※本記事は、英語版「The Official BNI Podcast」Episode 24: Speed Networking の内容をもとに、日本向けに再構成・編集しています。