福元信治さん
BNI 大一大万大吉
(大阪セントラル)
カテゴリー:トリックアート看板
1978年9月7日大阪府寝屋川市生まれ。寝屋川高校から同志社大学卒業後、2社の看板屋勤務を経て、フリーの職人として活動。2013年株式会社ORESを設立、バズる看板屋として活動。
“二度見必須“のトリックアート看板。Twitterで話題沸騰
2022年1月13日にTwitter上で風変わりな車が話題になった。駐車場に停車中の車のリヤウインドウ(車後部ガラス)には、看板が突き刺さった状態で飛び出ているのだ。しかしよく見ると、ヒビが入ったリヤウインドウも看板もすべてが車に描かれた「トリックアート看板」。
偶然にもその車を見かけた人がTwitter上で「いや二度見したわ」とつぶやき、車の写真を投稿。“つぶやき“は瞬く間に注目を集め、「車の窓を破ってでも宣伝する精神」「まさに、“看板に偽りなし”ですね!」「トリックアートに見えなかった」などの反響が続出した。そして、15.6万を超える“いいね”と3万件以上のリツイートという記録を生み出した(数字は2022年2月15日10時現在のデータ)。その後、Yahooニュースにも取り上げられた。
この車の持ち主が「バズる看板屋」として活動している福元信治さん。実は、このトリックアート看板は「BNIに入会して、メンバーやエグゼクティブディレクターとの出会いによって生まれました」と福元さんは話す。
「1to1」の中で生まれたコラボアイディア
福元さんがBNIに入会したのは2017年の夏、「看板」というカテゴリーで登録した。入会当初から順調な滑り出しで、多くの紹介や注文を得られていたが「もっとBNIを有効活用することはできないだろうか」と考えていたという。転機は大阪セントラルの田渕エグゼクティブディレクター(ED)との「1to1」だった。
「田渕EDとは定期的に1to1をさせていただいています。そのときどきに考えていることや、ビジネスについてざっくばらんに聞いていただくことは今も変わらないのですが、あのときは『看板本来の目的をより際立たせるにはどうしたらいいか』という相談をしたんですね。すると、同じチャプターメンバーで“チョークアート”カテゴリーのアオさんとコラボすることを勧められました」
福元さんは早速、アオさんと1to1を行う。その中でトリックアート看板のアイディアが生み出され、「一緒にトリックアート看板をやろう!」と意気投合した。その第一弾として、Twitterでバズったトリックアート看板車が誕生した。
トリックアート看板の効果
アオさんとのコラボにより、BNIのカテゴリーも「トリックアート看板」に変更したところ、キャッチーなカテゴリーがチャプターメンバーはもちろん、チャプターを超えた多くのBNIメンバーの目に留まるように。リファーラルによる受注も純増していき、入会して4年半経った現在では、入会当時の4倍の売上になった(2022年2月現在)。そして、社用のトリックアート看板車経由の問い合わせも増えていった。
「車の後ろにLINEのQRコードも入れているので、そこからの受注も増えました。信号で停車しているときに走り寄ってこられて、『看板をお願いしたい』なんて言われることもあるんですよ」とにこやかな表情で福元さんは話す。
「看板」に対する想い
「バズる看板」を目指して看板制作をする福元さんは、ただ単に目立てば何でもいいとは考えていない。
「私の看板屋のポリシーとして、『看板は見られないといけない』というのがあります。ですからまず、アイキャッチを大切にしています。例えば、キャッチフレーズや、デザインを看板のわきからはみ出させたりなどして、“その会社らしくて、楽しい驚き”を提供して見てもらうことを重視します。そして、店舗前でも興味関心を惹く仕掛けをして、お店に入っていただくという導線をいつも考えています」
福元さんの熱い想いを汲み取り、アオさんとのコラボを提案した田渕ED。プロダクツ設計や「クリエイター自身の楽しむ心がプロダクツに大きな影響を与える」ことに意気投合したアオさん。福元さんとアオさんの想いを共有しているチャプターメンバー。こうした人たちとの関わりの中で福元さんのトリックアート看板は進化しながら、多くのクライアントに喜ばれている。
看板屋ビジネススクールの設立へ
人生山あり谷ありを心から楽しみ、変化することにワクワクを感じる福元さんに今後の展望や、やりたいことを伺った。
「社員を雇わないでひとりで看板屋を経営できるスキームを伝えて、独立支援をする学校を創りたいですね。以前は社員を雇っていましたが、最後に在籍していた社員も独立して現在はひとりです。そして、工場も持たず、365日宣伝・営業してくれる車でどこにでも行き、スケジュールも自分で決めて自由な環境でビジネスをしています。ひとりで看板制作をしても売上を何倍にも伸ばすことは可能です。この数年間で培ってきたノウハウを伝えて実践できる人を全国に増やしていって、ゆくゆくはフランチャイズ化できたら、と構想中です」
この構想にも、もちろんBNIは不可欠のようだ。
「BNIは本当にさまざまな方が在籍しています。価値観も職種も実に多様。ビジネスの成長も在籍の目的ですが、多様な人たちと出会い、お互いに関われることが何より素晴らしいですね。それがいい意味での刺激になっています。そして、次のステップに向けてBNIの定例会で訴求していったり、1to1などで新しいアイディアをいただいたりして、変化していきたいですね」
文=国場みの