「Givers Gain®(ギバーズ・ゲイン)」は変革をもたらす

2021/08/24

病気、飢饉、貧困、敵意、絶望etc……、光と影があるように、明るい未来だけじゃない世界も横たわっています。かといってそちらに向かう必要もありません。私たちは選択をして、声を挙げ、世界を変化させることができるのです。そして起業家はそういうことができやすい立場にあるのです。

数年前、私はある言葉を自分の会社のコアバリューに組み込みました。「Givers Gain®(ギバーズゲイン)」というシンプルな2語のフレーズは、人と人がつながるための、これまでになかった枠組みを提示した点で、画期的な変化をもたらしました。与える、ということは、今の自分よりも成長でき、所属するコミュニティを通じて自分がより高みの存在になれることを認識するはずです。この理念を理解すると、今までとはまったく違う世界が見えてくるはずです。だから私たちは、まだ知らない人にこの理念を理解し、実践するお手伝いをしていくことが大事なのです。

2010年、『Greater Good Magazine』は、米国国立衛生研究所の研究結果を掲載しました。それは、「人が他人に与えると、喜び、社会的なつながり、信頼に関連する脳の領域が活性化され、『暖かい光』の効果が生じる」と。また科学者たちは、利他的な行動が脳内のエンドルフィンを放出し、ヘルパーズ・ハイと呼ばれるポジティブな感覚を生み出すと考えています。

また、カリフォルニア大学バークレー校の研究者は、複数の団体でボランティア活動をした人は、ボランティア活動をしなかった人に比べて、「5年間で死亡する確率が44%低い」ことを発見しました。また『Loneliness: Human Nature and the Need for Social Connection』の著者であるJohn Cacioppoは、「社会的なつながりから生まれる相互的な利他主義が広がれば広がるほど、健康、富、幸福への前進は大きくなる」と述べています。

意識的に“与える”という理念を実践することで、大きな波及効果が生まれます。私も一人の人間が他の人間に与える劇的な影響を目の当たりにしてきました。一人の行動が別の人に影響を与え、次の人へ、また次の人へと波及していくさまを見てきました。コミュニティやネットワークの中で、この理念から生まれる波及効果は、何百人、何千人もの人々に影響を与えることができます。それどころか、世界にまで影響を与えることができると信じています。与えることは伝染します。意識的に与えることは、無限の可能性を秘めているのです。

中国にはこんな言葉があります。「1時間の幸せを望むなら、昼寝をしなさい。1日幸せになりたければ、釣りをしなさい。一年の幸せが欲しければ、財産を相続しなさい。一生の幸せが欲しければ、誰かを助けることだ」。何世紀にもわたって、偉大な思想家たちは同じことを言い続けてきました。そう、幸せとは与えることで手に入るのです。

この理念は幸福な人生へとストレートに駆け上がらせるものではありません。相互関係の中でジグザクに進んでいくものです。だからまずは正しい考えを持ちましょう。“よだれかけ”を外し、“エプロン”を着けましょう。自分が得をすることをまず考えるのではなく、奉仕して人を助ける、という考えを持つことです。そしてその考えを持つ仲間を見つけることです。「自分ができることはたかがしれている」と思う人もいるでしょうが、誰かの人生を変えるのに大きな行動はいりません。ほんの少しでいいのです。

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