支えられた経験を、次の誰かへ。事業とBNIを続ける理由

2026/09/29

與那城 寿恵子(よなしろ すえこ)
チャプター:BNI AMAMIKU(沖縄)
カテゴリー:子育て世代を応援する学生服リユースリサイクル

 與那城 寿恵子さん(以下:與那城さん)は、子育て世代を支える学生服リユース事業を手がける経営者である。元々は専業主婦でありながら、人脈も経営知識もない中で事業を立ち上げ、BNIとの出会いをきっかけに店舗展開や事業成長へと歩みを進めてきた。

 自身の事業の変化やチャプターの魅力を語ったビデオコンテスト2026では、見事に2位に選ばれた。(受賞動画はこちら)與那城さんの歩みは、BNIによって売上が上がったという成果だけにとどまらない。支えられた経験を力に変え、今度は女性が好きな仕事を諦めずに挑戦できる場をつくろうとする、感謝と恩返しのストーリーでもある。

喜んでくれる人がいる。だから、この事業を閉めたくなかった。

 子供が手がかからなくなり、これから仕事をしようと考えたとき、明確に「なりたい」と思う職業があったわけではない。そんなときに知ったのが、学生服のリユース事業だ。

「私も一度は、人に喜んでもらえる事業をしたい」

その想いが、事業の出発点となる。

 自身も子育てを経験する中で、制服や学用品にかかる費用の負担を実感していた。沖縄には所得の課題や、シングルマザー、祖父母が子どもを育てる家庭も少なくない。そうした背景を考えたとき、学生服リユースは、地域の子育て世代を支える仕事になると感じたのだ。

 事業のお手本が身近にあったわけではない。資金も、人脈も、経営の知識もなかった。6畳ほどの小さな一室から、看板もホームページもないまま、手探りで始めた。それでも、少しずつ口コミが広がっていき、制服を買えずに困っていた人、親がいない中で制服を必要としていた子ども、孫のために制服を探す祖父母、涙を流して喜ぶシングルマザー。そうした人たちの姿が、與那城さんにとって事業を続ける理由になっていく。

しかし、事業が形になり始めた頃、コロナ禍の影響を受けることになる。学生服の仕入れが難しくなり、お客様と触れ合う機会も減っていった。廃業も考える中、與那城さんには葛藤があった。

「こんなに喜んでくれるお客様がいるのに、この事業を閉めなければいけないのか?」

事業資金を十分に用意して始めたわけではない。経営の知識もない。続けたい気持ちはあるが、どう続ければよいのかがわからない。そんな時に出会ったのがBNIだった。

素直に学び、できることを全部やる。その姿勢が、応援につながるBNI。

 ビジネスコミュニティに参加した経験はなかった。中小企業の経営者と直接話す機会もない。自分には経営の知識が足りない。不安がなかったわけではない。早朝の活動と家事を両立できるのかという不安もあった。それでも、お店を閉めるくらいなら、できることは何でも試したいという想いが強かった。その自覚があったからこそ、BNIという環境は刺激的なものだったそうだ。

 與那城さんがBNIで大切にしたのは、言われたことを素直に全部やることだ。トレーニングに参加し、1to1を重ね、できることはすべてやった。特にBNIに大きく引き込まれるきっかけとなったのは、入会して1か月も経たない頃の出来事である。メンバーズフォーラムの司会を任されたのだ。周囲のメンバーはその場を盛り上げ、與那城さんの、BNIでいう「ビジビリティ(認知度)」が一気に高まった。その後、1to1の依頼やリファーラルも増えていく。入会して間もない段階で、BNIの仕組みが生む力を体感したのである。さらに、2か月目にはチャプター運営を担う「3役」の打診を受け、5か月後には実際に役割を担った。そこでBNIの仕組みを深く理解していった。

「このやり方を素直にやれば、大きな会社の経営者たちと同じように自分も成長できるかもしれない」

そう感じるようになった。

 振り返ると、その素直さが周囲の応援につながったのだという。不動産業のメンバーが物件を探し、看板、ホームページ、販促物、内装、空調など、事業に必要なものが次々と整っていった。クラウドファンディングをおこなった際には、チャプターメンバー全員で応援してくれた。その結果、現在は路面店となり、沖縄県内のほぼ全域をカバーする事業へと広がっている。

好きな事で活躍できる場を、広げていく。「女性だから」と、諦めなくていいように。

 現在、與那城さんが所属しているのは、女性だけのチャプターである。そんな今のチャプターの目標は、女性が好きな仕事を諦めず、BNIを通じて飛躍できる環境をつくることだ。女性は人生の中で、出産、育児、家事などによってブランクが生まれる場面がある。それでも女性だからといって諦めないこと。好きな仕事を続け、伸ばしていけること。社会に貢献しながら、自分の人生も楽しめること。與那城さんにとって、BNIはその可能性を広げる場になっている。

 ビデオコンテストへの挑戦も、BNIへの感謝を形にするためだ。女性だけのチャプターの活躍を伝えたい。BNIへの恩返しをしたい。その想いが、ビデオコンテストへの挑戦につながった。

 これからの人生の目標を尋ねると、與那城さんは次のように語った。

「楽しんで生きていきたい。子どもたちに、笑っている自分を覚えていてほしい。自分も、身近な人も、そして子育てをしている人たちも笑顔にしたい」

 何もないところから始まった事業は、BNIとの出会いによって大きく形を変えた。支えられる側だった與那城さんは、今、女性たちの挑戦を支える側へと歩みを進めている。

6畳の小さな一室から始まったその挑戦は、子育て世代と、好きな仕事を諦めたくない女性たちの未来へと広がっている。

文=名城政也