BNIの歴史における1988年から1990年にかけての期間は、組織が劇的な成長を遂げ、現在の強固なシステムの基礎が確立された重要なフェーズです。ネットワーキングの本質である「人との繋がり」を重視した結果、組織がいかにして拡大し、メンバー主導の運営体制が整っていったのかを紐解きます。
地理的戦略ではなく「人」を追うオーガニックな成長
一般的なビジネスにおけるマーケティングでは、地図上でターゲットとなる地域を選び、そこへ進出するという手法が取られます。しかし、リファーラル・マーケティングに基づいたBNIの拡大は、それとは全く異なる「オーガニック(有機的)」なプロセスを辿りました。
BNIがアメリカ全土へと広がったのは、特定の人脈を追いかけた結果です。カリフォルニアから始まったチャプターは、メンバーがアリゾナへ、さらにネバダ、コネチカットへと移住するたびに、その移動先で新しいチャプターが誕生しました。
「場所」ではなく、信頼できる「人」がいる方向へ進む。このネットワーキングの本質を貫いたことで、意図せずとも数年のうちにアメリカ大陸を一周するようなネットワークが形成されたのです。
メンバーが自ら作り上げた運営ルール
BNIの大きな特徴は、その規程や運用ルールがトップダウンで決められたものではないという点です。出席に関する規程をはじめ、現在運用されているほぼすべてのポリシーは、現場のメンバーで構成されるアドバイザー会議(Board of Advisors)によって承認・作成されています。
創設者の一存ではなく、日々チャプターを運営しているメンバーの声が形となって今のシステムがあります。この「現場主導のルール作り」が、世界中の異なる文化圏でも機能する普遍的で強力な組織体制を生み出す原動力となりました。
試行錯誤から導き出された「成功の法則」
現在のBNIのシステムは、数多くの失敗と試行錯誤、いわゆる「ラーニング・ステップ(階段状の学習)」を経て完成されました。初期の段階では、毎週開催することに懐疑的な声もあり、実験的に「隔週開催」のチャプターを認めた時期もありました。
しかし、データを検証した結果、隔週開催のチャプターは毎週開催のチャプターに比べて、交わされるリファーラルの数が52%も少ないことが判明しました。この結果を受けて、リファーラルを最大化するためには「毎週顔を合わせる」ことが不可欠であるという確信が得られたのです。
現在私たちが活用しているシステムの一つひとつには、こうした過去の具体的なデータと教訓が刻まれています。
ネットワーキングがもたらす最大の成果
ネットワーキングを正しく実践することは、単にビジネスを拡大させるだけでなく、人生を豊かにする出会いをもたらします。共通の価値観を持ち、互いに助け合う精神(Givers Gain®)で繋がったコミュニティの中では、予期せぬ素晴らしい繋がりが生まれます。
BNIの歴史そのものが示すように、信頼できる人々と協力し、システムを正しく活用することは、個人のビジネスだけでなく、組織、そして社会全体にポジティブな影響を与え続けることになります。
※本記事は、英語版「The Official BNI Podcast」Episode 31: Givers Gain Chapter 5 の内容をもとに、日本向けに再構成・編集しています。