BNIはこれまで対面式のビジネスミーティングを行なっていましたが、新型コロナウイルス感染防止のために全世界のチャプターは一斉にオンラインミーティングに切り替わりました。オンラインでもビジネスは成り立つ、ということは数字の上でも表われていますが、対面式を知るメンバーの中には寂しさを感じる人も少なくありません。「対面式に戻ってほしい……」と思っているメンバーもいる中、着実にメンバーを増やし、対面式よりもメンバーシップ更新率を上げているチャプターがあります。彼らはどのような考えの下で、どのように行動してきたのでしょうか。きっとそこには全国、いや全世界のチャプター必見の、学ぶべき姿勢が見えてきます。
メンタースーパーサポートチーム
BNI東京千代田リージョンのGrowthチャプター。本日現在103名というビッグチャプターで、2020年は更新率も前年と比べて約20%上昇するという、オンラインでも活発に運営されているチャプターです。20期(2020年4月~9月)・21期(2020年10月~)と連続してプレジデントを務める廣田晴美さんは、これまでを見てきて感じてきたことがありました。「Growthチャプターは、いわば『栓の抜けたお風呂』のようで、メンバーの入れ替わりがとても激しいチャプターでした。メンバーから相談を受けていてもフォローしきれなかったのも事実です。もっとメンバーを大切にしたいと思い、プレジデントのときにフォローアップの組織を作ろう、と」。
そして声を掛けたのが、ベテランメンバーの石川万汰郎さんでした。石川さんは新メンバーと数多く1to1を行なっており、メンバーを気遣う姿勢も非常に高かったのです。そして石川さんはその組織作りを始めます。「メンバー一人ひとり違いますから、フォローの態勢も違います。だから全メンバーに対して寄り添えるプロフェッショナルを揃えました」。そうやって生まれたのが、全世界、どこにもないチーム「メンタースーパーサポートチーム」です。更新を悩んでいるメンバーに対し、“心で寄り添う”ことをモットーにフォローしてきました。
BNIは入会すれば売り上げが上がる、と思っている人が一定数います。それは、メンバー数が多いチャプターであればなおさら錯覚をしてしまいがちです。しかしBNIはそうではありません。今は儲かっていなくても頑張ろうという態度、つまり普段の役割に対する姿勢やリファーラルの出方など、目に見える行動を示す人たちに、「メンタースーパーサポートチーム」は手を差し伸べるそうです。さらにメンバーの持っているスキルに気付いてもらうために、「エッジを立てる会」というミーティングも開催し、メンバーとじっくり話し合って良い部分に気付かせるサポートも行なっています。いわゆるメンバーに“共感”すること。誰もが不安な思いを抱えている中で、思いに共感することほど今の時代に必要なことはありません。廣田さんは言います。「仲間を大切にする、人の温かみを大切にする。共感して寄り添う、心から支えるチャプターを目指したいと思いました」。それがしっかりと数字として表われているからこそ、その言葉には重みが増します。
可視化から見える課題
もう一つ、メンバーにチャプターの“位置”を知ってもらおうと、手掛けたのはチャプターの可視化でした。BNIは全国に9000人を超えるメンバーがいます。彼らとは「Givers Gain」の下で繋がることができます。ともすればチャプター内だけを見てしまうところを、“位置”を共有することで自分たちのチャプターがどのように成長しているかを確認することができます。そこで、チャプタートラフィックライトレポートの毎月の推移を、同じ規模の100人以上メンバーが所属しているチャプターの数値も踏まえて比較しながら発信をしています。それを手掛けるのはメンバーシップ委員会の渡邊佑さんです。「チャプター同様にメンバートラフィックライトレポートの推移も発信しています。そうすることで自分の強み弱みを知ってもらいたいという思いがあります。もちろん数値が低いメンバーにこちらから何か言うことはありません。ご自身で気付いてもらいたいと思っています」。
これらの数値から見えてくる課題、それはビジター招待が他のビッグチャプターと比べて少ない、ということです。渡邊さんは言います。「これは意識面の問題とも言えると思います。つまり、どのチャプターもビジター招待が難しい、という言葉が思い込みとして刷り込まれているというか」。そこで廣田さんは行動を起こします。「リーダーが招待していないで人には言えない、と、一人キャンペーンを自分の中で作って、ビジター招待を積極的に行なっています。最近は『Zoomしていますか?』がキラートークですよ。zoomができなかったらそもそもミーティングには参加できませんから……」。
対面式からオンラインに変わったことで、ミーティングの規模感は出しづらくなったのですが、zoomを使ってのミーティングのスピード感は、ビジターにとって衝撃を与えているようです。やがてメンバーとして入会した際に担当するのが、メンターコーディネーターの若井淳之介さんです。Growthチャプターのメンターは過剰なほどにフォローをします。何故ならメンターコーディネーターのテーマが“世界一の相棒になる”、だからです。これは若井さんが2019年に入会した際に感じた体験から来ています。「新入会した際に、満足したフォローとは言えない思いがあったので、やるならとことん、おせっかいと思われてもフォローしようと思いました。パーソナルメンターには週1回1to1をしてくださいと伝えていますが、毎日連絡を取るメンターもいるくらいです」。
世界の指標になるか
対面式のときにあったメンバー同士の雑談が孤立を埋めていたのですが、全員がオンラインである以上、孤立してしまうメンバーもいます。そうした人たちに声を掛け、気に掛けるのです。新入メンバーはメンターコーディネーターが、更新間近のメンバーはメンバーシップ委員会が、それ以外はメンタースーパーサポートチームが心配りをするのです。若井さんは言います。「先ほどの情報共有はチャプターの位置を知る部分でありますが、だからといってマクロな視点でチャプターを見てはいけないんです。メンバー一人ひとりの思いは違います。そうしたミクロの視点もしっかり持ちながら、全員で全員に共感することが大事なのだと思います」。もはやメンバーの3割が対面式未経験者。実際に会えない、だからこそ、気遣うという心。ロジカルなシステムに日本人らしい心配りを加えたGrowthチャプターは、もしかするとwithコロナ時代の新しいBNIの指標になるかもしれません。