2026/08/11

【他団体や地域と手を取り合い、共に成長できる組織を目指して】

谷川 耕平エグゼクティブディレクター
BNI福井

組織を大きくするために、他の団体と競い合うのではなく、互いの役割を認め、地域全体で成長していく。BNI福井のエグゼクティブディレクターに就任した谷川耕平さんが大切にしているのは、「共存共栄」という考え方です。

2026年4月、新たにBNI福井のエグゼクティブディレクター(以下、ED)に就任した谷川さん。2011年に福井でBNIが立ち上がった当初から活動を続け、複数のチャプター(地域ごとに活動するBNIのグループ)の立ち上げや、リージョン運営にも携わってきました。

人と人とのつながりを丁寧に育みながら、他団体や地域とどのような関係を築いてきたのか。これまでの歩みと、BNI福井が目指す未来について伺いました。

この度はおめでとうございます! 谷川さんがBNIと出会われたきっかけから教えてください。

ありがとうございます。私はもともと、外資系の生命保険会社の本社で、営業教育や営業支援の仕事をしていました。ですが、福井でそば屋を営んでいた父が倒れたことをきっかけに、「長男として地元に戻るべきではないか」と考えるようになりました。

福井へUターンし、保険の仕事で独立しました。地元に人脈が少ない中で活動していた頃、お客様から「BNIが福井で立ち上がるらしい」と聞いたんです。

最初からGivers Gain®に共感されたのでしょうか。

どちらかというと、最初は仕組みに可能性を感じました。ただ、活動を続ける中で、「まず相手のために動く」というGivers Gain®の考え方が、自分の中に自然と入ってきました。当時は今ほど仕組みも整っておらず、みんな手探りでした。それでも、「まずはメンバーのためになることをやってみよう」という空気は強かったと思います。

BNIで出会った方々とのつながりが、今の自分につながっていると感じています。

今回、EDに就任された経緯についても教えてください。

これまで、複数のチャプター(地域ごとに活動するBNIのグループ)の立ち上げに関わってきました。ここ2年間は、1年に1チャプターずつ立ち上げてきたんですね。そうした活動を見ていただき、本部から、福井エリアのさらなる拡大と発展を担う「リージョンチャレンジ」に取り組まないかと声をかけていただきました。

ただ、最初からすぐに決断できたわけではありませんでした。自分たちに合った形をしっかり考えたいという想いがありました。

その中で、覚悟が決まった理由は何だったのでしょうか。

私は、BNIを通じて多くの方に支えていただきました。お客様を紹介してくださった方もいれば、自分ではできないことを助けてくださった方もいる。だからこそ、今度はこの仕組みを、これから地域を担っていく経営者や事業者の方々に届けていきたいと思いました。

また、娘もいますから、この地域がもっと元気になっていけば、次の世代にもつながっていく。そう考えたときに、「地域に貢献できる形として、挑戦してみたい」という気持ちが強くなっていきました。

地方リージョンだからこそ、意識されてきたことはありますか。

大きく2つあります。

1つ目は、一人ひとりとの関係性を丁寧につくっていくことです。地方は、人との距離が近いんですね。だからこそ、入会して終わりではなく、その後の関わり方がとても大切だと感じています。

退会される方とも、できる限り丁寧に向き合ってきましたし、「どうすれば、もっと良い環境をつくれたか」を考え続けてきました。その積み重ねが、今のBNI福井につながっているのかなと思います。

2つ目は、他団体との関係です。地域にはさまざまな経営者団体があります。私は、「どの団体も、それぞれ地域にとって大切な役割がある」と考えています。だからこそ、対立ではなく、共存共栄の考え方を大切にしてきました。そして、他団体とのつながりが、BNIの価値をさらに広げてくれる思っています。

地域との関わりについては、どのように考えていらっしゃいますか。

短期的な成果だけではなく、長期的な信頼関係が大事だと思っています。これからは、地域イベントへの協賛やコラボレーションなども、さらに広げていきたいですね。

地域の方に喜んでいただけることが、結果としてメンバーの活動のしやすさにもつながる。そんな循環をつくっていきたい。私自身も献血活動を長く続けており、地域の中で、自分にできることを積み重ねていきたいと思っています。

谷川さんご自身は、BNIを通じてどんなことを学ばれましたか。

一番大きかったのは、人を束ねる難しさかもしれません。BNIは、部活動みたいに全員が同じゴールを目指しているわけではありません。それぞれ目標も価値観も違う。その中でプレジデントやバイスプレジデントを経験させてもらったことで、立場や価値観の異なる人と関わる中で、経営者として必要なコミュニケーションを学ばせてもらいました。

コミュニケーションで大切にしていることはありますか。

「みんな成長過程にある」ということと、「違いを間違いにしない」ということを大切にしています。

意見が違うと、つい説得したくなりますが、それは「違い」であって「間違い」ではない。だから、何かあったときには、「How can I help you?(何か手伝えることはありますか?)」と聞くようにしています。

最後に、これからの福井リージョンのビジョンを教えてください。

まず、数字としては、5年で350名という目標があります。ただ、その350名だけではなく、その先にいる地域の経営者の方々にも、BNIの仕組みを通じて貢献していきたい。そして、他団体とのコラボレーションも、これからさらに広げていきたいと思っています。

成果につながっても、つながらなくても、人は必ず成長している。だからこそ、挑戦している途中で、「できていない」と悲観する必要はないと思っています。助けてほしいとき、「助けて」と言えることも大切にしたいですね。そんな関係性を、福井リージョンでも育んでいけたらと思っています。

文=国場みの

2026/08/04

ビジネス交流会(ミキサー)での出会いを、具体的な成果や信頼関係に発展させるためには、一貫した行動指針が必要です。前回の「十戒」の最初の5項目に続き、今回はアクションに焦点を当てた残りの5項目を解説します。

第六の戒:可能な限りリファーラルを提供する

優れたネットワークワーカーは、**Givers Gain®(ギバーズゲイン)**の精神を体現しています。これは「返報性の原理」に基づいた、極めて合理的なビジネス手法です。
交流会で誰かと会話をする際、相手が抱えている課題やニーズに耳を傾けましょう。もし、あなたが知っている専門家や役立つ情報があれば、惜しみなく提供してください。相手を助けることが、結果としてあなた自身のビジネスチャンスを広げることにつながります。

第七の戒:紹介を前提とした名刺交換を行う

名刺を交換する際は、単に自分のために1枚もらうだけでなく、誰かに紹介するために「予備を含めて1、2枚いただけますか?」と依頼しましょう。
相手から先に名刺を求めることで、自分の名刺もスムーズに渡せるようになります。名刺は最もコストのかからない広告ツールです。これを正しく活用しない手はありません。

第八の戒:一人にかける時間は10分以内にとどめる

交流会は「ネットワーキング(人脈作り)」の場であり、「ネット・イーティング(食事)」や「ネット・トーキング(雑談)」の場ではありません。
特に注意すべきは、既に知っている友人や同僚とずっと話し込んでしまうことです。同じ会社の人同士で固まっていては、新しい出会いは生まれません。一人あたり最大10分を目安に切り上げ、会場内を動いてより多くの人と接点を持つように努めましょう。

第九の戒:名刺の裏にメモを残す(文化に配慮する)

後でフォローアップを確実に行うために、相手の特徴や交わした約束を名刺の裏にメモします。ただし、これには注意が必要です。
欧米では一般的ですが、アジア(特に日本など)では名刺に直接書き込むことは無作法とされる場合があります。アジア圏のビジネスパーソンと交流する際は、名刺には書かず、別途用意したメモ帳に記録するなどの配慮を忘れないようにしましょう。

第十の戒:必ずフォローアップを行う

前の9つの戒めを完璧に守ったとしても、フォローアップを行わなければすべての時間は無駄になります。
丁寧な手書きのメッセージを送るのが理想ですが、それが難しい場合はメールでも構いません。重要なのは、相手を尊重し、約束したことを迅速に実行することです。

これら「十戒」の全項目を実践することで、単なる名刺交換で終わっていた交流会が、質の高いリファーラルを生み出す強力なビジネスの場へと変わります。ビジネスは関係性の上に成り立つものであり、その第一歩はこれらの基本的な規律を守ることから始まります。

※本記事は、英語版「The Official BNI Podcast」Episode 33: The Ten Commandments of Networking, Part II の内容をもとに、日本向けに再構成・編集しています。