2023/08/22

高野 了輔さん
BNI ETOILE
BNI 東京N.E.
カテゴリー:畑から届ける日本茶ソムリエ

フランス紅茶商社を経て、2021年に日本茶・紅茶専門店【高野茶園】を創業。「畑から届ける」をモットーに農家に足繁く通い、レストランに食事とお茶のペアリングを提案するほか、流通量が極めて少ないオーガニック茶や全国の珍しい品種を取り扱う小売店「高野茶園」を運営。 お茶本来の香り・旨みを伝えるだけではなく、淹れ方、温度、蒸らし時間などを徹底的に伝え、お茶のポテンシャルを引き出すことで食事とのペアリングに特化している。

お茶への想いを語った動画がグランプリ

2023年のBNIビデオコンテストSNS部門1位、ウェブサイト部門3位を受賞したのは、動画の中で日本茶への熱い想いを語る高野了輔(たかの りょうすけ)さん。

撮影場所は、実際に高野さんが提携している日本茶生産者の茶畑の中。雪降る日に茶葉に積もる雪をそっと払い、優しく茶葉を触るその手からお茶への愛が伝わってくるようだ。

創業とほぼ同時に、兄の高野智有(たかの ともなり)さんが立ち上げに参画したチャプター・BNI ETOILEに加入した。高野さんの「お茶」への想いは学生時代まで遡る。

美味しいお茶が外で飲めない

「家で美味しいお茶はいくらでも飲めるのに、外に出たら飲めない」

これは高野さんが学生時代に感じていたフラストレーションだ。

高野さんの実家には日本茶を飲む習慣がある。

そんな中で育った高野さんが学生になり、友人や先輩と外食するようになって驚いたのは、美味しい料理やお酒はたくさんあるのに、美味しいお茶が飲めないということ。

料理とお酒の相性に気を使う飲食店は数多あれど、ノンアルとなると「本当に食事と合うのだろうか?」と首をかしげてしまう。

周囲は料理もお酒も楽しんでいるのに、お酒をあまり飲めない自分は片方しか味わえず物足りない。

相手とのせっかくの時間なのに、美味しくもないソフトドリンクにお金を使うくらいなら「早く家に帰って、お茶しよう」と頭によぎることが多々あったという。

しかし当時の高野さんには「起業」という発想はなく、フランス紅茶の商社に就職をした。

お茶をたしなむ文化を再構築したい

高野さんは、持ち前の探究心を発揮して業務の範囲を超えて紅茶を独学で学び始めた。

例えば、紅茶のコンテストに参画したり、全国の紅茶生産者に直接連絡を取り、現地視察を行ない栽培から生産の哲学まで学んだり、といった具合だ。

そうこうしているうちに、ご縁でオーダースーツ会社に勤めることになり、高野さん独自のおもてなしとして、お客様に一杯のお茶を淹れると、「美味しい。これはなんだ?」とびっくりされる。

「安い粉茶ではなく、選りすぐりのお茶ですから当然、美味しいわけですよ」と高野さん。

あるとき、兄の智有さんのつながりで知り合ったBNIメンバーに「これ、売らないんですか? 売れると思いますよ」と提案された。

加えて、「やるなら産地に行かないんですか? そのほうが“らしさ”が出ますよ」とアドバイスをもらった。

幼少期から親しんできたお茶、学生時代に感じた外食への課題、商社時代の茶農家とのつながり、おもてなしの一杯、今までの経験が1本の線につながる瞬間だったのかもしれない。

お茶をたしなむ文化をもう一度。

新しいカタチで。

そして、高野さんは国内紅茶コンテストを通して出会った茶農家に連絡を入れた。

「弟子入りさせてください」と。

料理とのペアリングで誰もが「会食」を楽しめるように

お茶の名産地である福岡県、静岡県の無農薬栽培の茶農家に住み込みで働いて経験値を積み、起業、そして2021年6月30日にBNIに加入。

走りながら事業もBNIも前に進めてきた。

現在、飲食店に「食事とお茶のペアリング」を提案し、月替りのコースに合わせて数種類のお茶を厳選しているが、導入店舗でドリンクオーダーに変化が起きているという。

例えば20席ある場合、元々ノンアルを選ぶ人は2~3人だったのが、お茶のペアリング導入後、8~9人がお茶のペアリングに流れるそうだ。

新たな選択肢が増えたことで、お酒を飲む人も飲まない人も一緒に「料理+飲み物=食事」を楽しめるのだ。

写真=Tea Drop Time

BNIの仕組みを能動的に使いこなす

今年、2023年は「いろいろな意味で大きな変化の年」という。

ティーペアリングサービスを開始。

その流れを受けて、BNIで知り合った会員制の高級料理店とのコラボでクラウドファンディングに挑戦、865%のサクセスを達成。約8割の支援者が“はじめまして“の人たちだ。

また、高野さんと同日にチャプターに加入した女性と結婚、ふたりで創りあげる新しい人生を歩みはじめた。

振り返ると商社を辞めてからの5年間で「今が一番楽しい」と笑顔で語る。

様々な縁が重なり、そこに高野さんの積み重ねが合わさり、大きな変化を遂げることができたのだろう。

そんな高野さんにBNIの上手な使い方について尋ねてみた。

「能動的に行動することですね。紹介を待つだけでなく、自分から『1to1してください』と行動を起こすことが大事だと思います。それが成果につながると私は実感しています」

文=国場みの 写真=宮坂拓海

2023/08/08

2023年6月15日に開催されたビジネスブースタープログラムでは、BNIジャパン大野真徳ナショナルディレクターとBNI SR(東京港中央)の冨田顕子さん(生命保険販売)の対談が行われた。 

今回のテーマである「ノニュプル」「デキュプル」とはダブルやトリプルのような意味で、「ノニュプル=9倍」「デキュプル=10倍」という意味であり、SRチャプターではノニュプル、9倍の54名のスポンサーを達成させている。

今回は2名の対談から、とくに重要なトピックについて紹介していく。

ノニュプル(9倍)達成の秘訣とは?

大野真徳(以下:大野):今回、54名のスポンサーを達成されたこと、おめでとうございます。通常6名のスポンサーのところを、ノニュプル(9倍)の54名を達成しているというのは、とても素晴らしいことだと思います。

冨田顕子(以下:冨田):ありがとうございます。SRチャプターがこのように上手くいった理由として、私自身がゴールドクラブメンバーを大事にしているという点があります。たとえば、「あと何人でゴールドクラブですね」といったようにメンバーに声掛けをしています。

大野:沢山の方をチャプターに紹介されている、そのモチベーションというのは、どのような部分から来ているのでしょうか?

冨田:大きな理由の1つは、SRチャプターを40年後も存続させたいという想いです。元々立ち上げの頃から、この想いがありました。当時29歳で立ち上げたのですが、70歳位までは仕事をするだろうと考えていたので、約40年。自分が作った組織が動き続けているという状態を作りたいと考えていました。

そのなかで、やはりメンバーがいないといけませんから、最初は60人を目指しました。60人を超えてくると、チャプターが安定してよほどのことがない限り崩れにくいと考えたからです。

大野:このような活動を、どのようにやられてこられましたか?

冨田:メンバーが退会してしまった際に、その退会メンバーのカテゴリーを必死に探すようにしています。メンバーが退会してしまった瞬間から知り合いに電話したり、多くの方に声をかけたりしています。

 ゴールドクラブメンバーとは何か?BNIとは何か?

大野:冨田さんにとってゴールドクラブというのはどのようなものですか?

冨田:このように取り上げてくださっていることもあり、ありがたい制度だと感じています。また、チャプターを運営する上でも「ゴールドクラブを目指そう」といったように盛り上がりを見せてくれることがあるので、その点でも助かっています。

大野:他チャプターのゴールドクラブメンバーとの繋がりもありますか?

冨田:ゴールドクラブだけの集まりなどもあるので、そこからご紹介をいただくこともあります。また、SRチャプターへの入会がスケジュールの点で難しい場合に「ゴールドクラブの方であれば適切に扱っていただけるのではないか」と信頼できるので、ご紹介することがあります。

大野:冨田さんは現在BNIで8年活動しているということですが、ここまで続けてこられたのはどのような理由がありますか?

冨田:一番はやはり、ありがたいことに売上に繋がっている点です。また、今はBNIの活動がライフワークになっているという部分もあります。新しい方と出会えるというのはありがたいことですし、メンバーとの関わりも凄く楽しく感じています。BNIを通して人生が凄く豊かになり、今ではなくてはならないものになっています。

大野:具体的にどのような成果を感じていますか?

冨田:売上の点では、最初は誰も保険に加入してくれないというところからのスタートでしたが、今は毎日のように紹介やご契約の話をいただいております。保険会社にとって見込み顧客とお会いできるというのは物凄く貴重なことなので、ご紹介いただけるというのは本当にありがたいです。元々私は専業主婦で時給1,000円のアルバイトをしていたので、本当にBNIのおかげで夢のような人生を送らせていただいて、感謝しております。

BNI活動を楽しむことこそが成功の秘訣

大野:冨田さんと同じような動き方ができないメンバーの方もいると思うのですが、コツやメッセージなどはありますか?

冨田:人生は頑張るだけがすべてではありませんし、さまざまな形の幸せや、幸せの作り方があるので、頑張らなくてもよいと思います。

大野:冨田さんを拝見しているといつも楽しんでいるように感じるのですが、やはり「楽しむ」という点は大事ですか?

冨田: BNIを退会してもある程度の仕事の基盤はできているので、売上としては大きく困ることはないと思っています。ただ、やはり私のなかで楽しくてBNIを続けているという部分は大きいです。楽しいからこそ自然とリファーラルも生まれますし、楽しくて売上も上がるというのは、一番良い状態ではないかなと思います。

大野:今後BNI活動のなかで目指していることはありますか?

冨田:今までどおり、愚直にSRチャプターを良くしていきたいのは当然ですが、私自身がBNIを使って楽しい人生を送らせていただいているので、全国のメンバーさんはもちろん、まだBNIに入会されていない方にも希望を与えられるようになりたいと思っています。

数を追いかけるのではなく、BNI活動の価値を追いかける

今回の対談では、冨田さんが数を追いかけてノニュプルを達成したのではなく、活動の価値・楽しさを追いかけてきたからこそノニュプルを達成できたということがわかるのではないだろうか。

目先の「数」だけではなく、BNIの活動を純粋に楽しんでいる冨田さんだからこそ、多くのメンバーが信頼してついてきているのだろう。

もちろんBNI活動の「価値」は個々によって異なり「楽しさ」だけではないが、ぜひBNIのメンバーには冨田さんのような何かしらの「価値」を感じながら活動をしてほしい。

価値を追求することで、これまで達成できなかったBNIでの目標、チャプターでの目標も達成できるのではないだろうか。

文=名城政也

2023/08/01

ビジネスに関わる組織が成功するには、アカウンタビリティ、つまり責任意識が必要です。責任意識が必要であるなら、そこには制度やルールも必要になります。これは、BNI🄬のようなリファーラル・マーケティング組織にもいえることです。

ビジネスグループにおける強みの1つは、メンバーのほとんどが友人であること、そして、その弱さの1つもほとんどのメンバーが友人であることです。そして、友人には責任を取らせるようなことはしたくないものです。

例えば、ルールのないアイスホッケーを思い浮かべてください。それは、氷上のボクシングのようなもの。ルールがなければ、あなたが所属するリファーラルマーケティングのグループも混沌とした状態になるでしょう。

ルール、ガイドラインのないBNIのチャプターは、テーブルを囲んでコーヒーを飲みながら交流を楽しむ単なるお茶会ですし、ビデオミーティングで雑談する社交クラブのようなものです。私たちはルール、そして制度を持つべきであり、ルールは、長期的な成功において重要なものです。

ルールを取り入れる

質の高いリーダーシップとは、メンバーとそつなく関わりながらその責任はしっかりと果たし、かつ前向きな姿勢を保つことです。これは人々を導きながら、手を差しのべることで目標達成させるコーチングと同じです。優秀なリーダーは、凶悪なフン族のアッティラ王のように振る舞うのではなく、人権のシンボルとされるネルソン・マンデラ氏のように政策とルールを適用していきます。メンバーのことを気にかけながらも厳しい愛をもって、チームあるいは、グループのメンバーに責任意識がなぜ必要なのか、その理由を理解させます。

覚えておいてください。人は、「なぜ」を理解するまで、「どのように」するのかはどうでもいいのです。責任意識を持つことは、ビジネスにおける成功にとって不可欠なことです。ビジネスや人脈作りにおいて責任意識を保つことは、組織とそのメンバーを長期的な成功に導くことになります。

訳=川崎あゆみ