「世界中の誰とでも、5〜6人の仲介者を通じれば繋がることができる」という「6段階の隔たり(Six Degrees of Separation)」という説があります。多くの人がこの概念を肯定的に捉えていますが、ビジネス・ネットワーキングにおいて、これを単なる「自然現象」として過信することは危険です。
人脈を確実に広げるためには、この説の背後にある事実を理解し、主体的にスキルを磨く必要があります。
「6段階の隔たり」に隠された意外な事実
この説の根拠となったのは、1960年代に社会心理学者のスタンレー・ミルグラムが行った「スモールワールド実験」です。彼は、特定の人物に手紙を届けるよう参加者に依頼し、何人の仲介者が必要かを調査しました。
この実験で、目的地に到達した手紙の平均仲介数は確かに5〜6人でした。しかし、見落とされがちな重要な事実があります。それは、**「ほとんどの手紙は目的地に届かなかった」**という点です。
ミルグラムの最も成功した実験においてさえ、目的の人まで鎖が繋がったのは全体のわずか29%に過ぎませんでした。残りの71%は、途中で鎖が途切れてしまい、接続に失敗しています。つまり、「誰もが自動的に6段階で繋がっている」わけではなく、実際に繋がっているのは一部の人々に限られているというのが現実です。
安易な期待が招く「ネットワーキングの落とし穴」
「世界は6段階で繋がっている」という神話を盲信してしまうと、ネットワーキングに対する「油断」が生じます。「放っておいても、そのうち誰かを通じて理想の顧客やパートナーに出会えるだろう」という受け身の姿勢に陥ってしまうのです。
優れたネットワーキングのスキルを持っていない人がこの神話を信じると、具体的な行動やスキルの改善を怠り、結果として誰とも繋がれないという事態を招きかねません。コネクションは待っていれば自然に発生するものではなく、意図的に構築していくものです。
ネットワーキングは「磨くべき技術」である
ミルグラムの実験結果が示すポジティブな側面は、**「ネットワーキングは習得可能なスキルである」**ということです。実験で目的地に到達させた29%の人々は、そうでない人々よりも「繋がる力」に長けていたと言えます。
BNIにおいて提供される様々なツールや機会は、この「29%」側に入るためのトレーニングに他なりません。
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1to1の活用:メンバー同士が深く理解し合うことで、紹介(リファーラル)の質を高め、鎖を強固にします。
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学習コーナーやトレーニング:効果的なプレゼンテーションや信頼構築の手法を学び、繋がる技術を向上させます。
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BNIコネクトの活用:地域を超えたネットワークにアクセスし、物理的な距離を超えて人脈を広げる手段を持ちます。
ネットワーキングを「偶然」に頼るのではなく、教育を受け、実践を繰り返すことで、私たちは意図的に世界中の誰とでも繋がれる能力を身につけることができます。
29%の「繋がっている人」になるために
「6段階の隔たり」を現実のものにするのは、運ではなく個人のスキルです。日々のチャプター活動において、ウィークリープレゼンテーションの内容を精査し、誠実な1to1を積み重ねることで、あなたのネットワークの鎖はより確実に、より遠くまで伸びていくようになります。
ネットワーキングを「磨くべき技術」と捉え、主体的に取り組むことで、あなたは世界と繋がる29%のビジネスリーダーの一人となることができるでしょう。
※本記事は、英語版「The Official BNI Podcast」Episode 8: Six Degrees of Separation の内容をもとに、日本向けに再構成・編集しています。








