BNIでの活動において、リファーラルを受け取ることはビジネス拡大の大きな第一歩です。しかし、受け取ったリファーラルが自動的に売上に繋がるわけではありません。銀行家、弁護士、建築業者など、あらゆる業種のメンバーが、自身のサービスを提供する「セールスパーソン」としての側面を持っています。提供された機会を確実に顧客へと変えるためには、ネットワーキングのスキルに加えて、適切なセールス・スキルが不可欠です。
リファーラルは「成約の保証」ではない
BNIにおけるリファーラルの定義は、あくまで「ビジネスをする機会」です。紹介者があなたの信頼性を裏付けてくれたとしても、最終的な判断を下すのは見込み客自身です。
過去の博士論文や2006年に行われた調査データによると、BNI内のリファーラルが実際に成約に至る確率は平均して約34%という結果が出ています。これは一般的な「リード(単なる連絡先情報)」に比べれば非常に高い数字ですが、100%ではありません。中には90%以上の成約率を誇るメンバーも存在しますが、彼らはリファーラルを成約に繋げるための高いセールス技術を兼ね備えています。
信頼を成約に変える3つのプロセス
受け取ったリファーラルを確実に成約させるためには、以下のプロセスにおいて誠実さとプロフェッショナルな対応が求められます。
1. 迅速かつ自信を持った最初のアプローチ
リファーラルを受け取ったら、迅速に連絡を取り、最初の面談(アポイントメント)を設定することが重要です。この際、自信のなさを出したり、逆に強引すぎたりすることは避けなければなりません。「お互いにとって有益な取引になる」という確信を持ち、それを相手に伝えることが、良好な関係のスタートとなります。
2. 誠実さ(インテグリティ)の維持
面談の段階では、誠実さが最も重要です。隠れた費用や予期せぬ例外条項がないよう、透明性を持って説明する必要があります。いわゆる「おとり広告(ベイト・アンド・スイッチ)」のような手法は絶対に避けるべきです。ここで期待を裏切るような行為をすれば、その見込み客を失うだけでなく、リファーラルを提供してくれたメンバーからの信頼も二度と得られなくなります。
3. 「相手のため」というマインドセット
セールスとは「相手に何かを売りつけること」ではなく、「相手のために問題を解決すること」です。自身の専門知識やリソースを駆使して、相手が抱えている課題に対する最適なソリューションを提示する姿勢が、成約率を飛躍的に高めます。
専門リソースの活用
BNIは世界をリードするネットワーキング組織であり、リファーラルを生み出す仕組みを提供することに特化しています。一方で、具体的なセールス技術そのものについては、その道の専門家から学ぶことが推奨されています。
BNIでは、世界的なセールス・トレーニングの権威であるブライアン・トレーシー氏の組織(Brian Tracy Sales University)と戦略的提携を結んでおり、メンバーが質の高いセールス・トレーニングを受けられる環境を整えています。ネットワーキングで機会を創出し、セールス・スキルでそれを完結させるという「ワンツー・パンチ」を身につけることが、ビジネスを成功させる鍵となります。
リファーラル・マーケティングはビジネスを構築するための強力な手段ですが、それはプロセス全体の半分に過ぎません。残りの半分は、提供された機会に対して誠実に、そしてプロフェッショナルに対応し、成約へと導く個人のスキルにかかっています。自身の提供する製品やサービスが相手に利益をもたらすと心から信じ、正しい技術を持って接することで、リファーラルは持続的な売上へと変わっていくのです。
※本記事は、英語版「The Official BNI Podcast」Episode 22: Salespeople Don’t Live On Referrals Alone の内容をもとに、日本向けに再構成・編集しています。