「こうあるべき」を崩してくれた。 今はより視野を広く、よりビジネスを拡げられる。

2025/09/09

松井 祐太(まつい ゆうた)
BNI THREE(大阪シティセントラル)
カテゴリー:独自の価値を言語化する価値設計士

 松井 祐太さんは、企業の価値設計とコンセプトメイキングを専門とする「独自の価値を言語化する価値設計士」として、多くの企業の成長を支援している。

リクルート出身という経歴を持ち、一時期は自身の事業で売上1億円を達成するも、その後、コロナの影響で売上がゼロになるという劇的な浮き沈みを経験している。その危機を乗り越える過程で、BNIが大きな助けとなり、松井さん自身の成長にもつながった。

 松井さんの物語は、単なる成功談ではない。弱みを見せることができずにいた経営者が、挫折を通じて本当のリーダーシップとは何かを学んでいく成長の軌跡でもある。BNIのシェアストーリー全国大会での挑戦、プレジデント時代の組織運営、そして現在のグローバルチャプター構想まで、松井さんの歩みには多くの学びが詰まっている。

多くの企業がUSPの重要性を知っている。しかし、明確化の方法を知らない。

 松井さんの人生を知る上でも、現在のカテゴリー「独自の価値を言語化する価値設計士」についてお伝えしておきたい。松井さんは企業のUSP設計を専門としている。この専門性は、これまでのキャリアの積み重ねが自然に収束して形になったものだ。

 出発点となったのは、前職の分譲地企画営業の経験だ。不動産会社の物件を掲載する仕事を通じて、3C分析などの戦略的思考法を身につけた。「このエリアにどういう物件を、どんな戦略で売るのか」という視点が、この時期に養われたのだ。

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 分譲地といっても、コンセプトが明確なところもあれば、不明確なところもある。後者をどう売るかを考える過程で、コンセプトメイキングの重要性を痛感したという。また、動画制作事業においても、「USPがない企業は動画を作りにくく、ターゲットも明確にできないため良いものが作れない」という課題を発見した。「価値を設計することが何より大事」という確信は、この経験から生まれた。

 BNI入会後には、改めてUSPの重要性を感じられる経験があった。BNIが開催している講座に参加した際に、「自社の価値の明確化に悩んでいる人が多い」という現状を目の当たりにしたのだ。「価値を創るところにニーズがある」という市場の声を直接感じ取り、現在の「独自の価値を言語化する価値設計士」というカテゴリーでの活動に繋がっていった。

BNIを活かせる人と活かせない人がいる。その違いを知りたかった。

 「あいつ変わったな…」この気づきが、松井さんをBNIに引き込む魅力となった。

 当時、不動産業界の交流会で、同年代の男性と知り合った松井さん。最初は彼に対して、頼りなさを感じていたと言う。しかし、その後のFacebookの投稿で彼のイキイキしている姿をみて「何があってこんな風に変わったのか?」と疑問をもつ。そこで彼に連絡をとってみると、その理由がBNIだった。

 ただし入会の理由は彼だけの影響ではない。同じ会社に勤める社員がBNIに所属しながら成果を出せていなかったこともあり、「この違いは何だろう」と探究心が働いた。 その後「信頼関係の構築」と「その領域のプロであること」が成果の差を生むと理解することになる。

 入会後、松井さんは情熱をもって積極的に活動に取り組んだ。理由は、紹介営業を得るために「学び」があるかどうかを重視していたからだ。 特にBNIのエデュケーションの考え方に強く共感し、学びそのものにワクワクを感じていた。

弱みを見せたくない。でも、見せなければ成長できない。

 「元々できない人種だった。スポーツも勉強も」と松井さんは語る。だからこそ、人に良く思われたい気持ちが強く、人前で弱みを見せることにはためらいがあった。

 プレジデントを務めた際も「このチャプターを変えてやろう」と強気な姿勢で臨み、素直さを出すことが難しかった。

 そんな松井さんが弱みを見せたのは、事業の売上が一気にゼロになった時。
「もう一度立ち上がりたい」という率直な思いをチャプターメンバーに伝えた。

この時、それまでに築いてきた信頼関係が力となった。数字や実績ではなく、人としての誠実さを大切にしてきた姿勢が、困難な時期に支えになったのだ。

 この経験は、松井さんにとって大きな転換点となった。見栄や数字にとらわれず、弱さも含めて率直に語ることの価値を実感したのである。

売上も、組織運営も。BNIが常に成長させてくれる。

 松井さんがBNIで得た最大の成果は、リファーラルマーケティングのスキルを体系的に学べたことだった。価値設計とコンセプトメイキングの能力に、ネットワーキングスキルが加わったことで、ビジネスは大きく発展した。

大学関係者へのセミナー、大学季刊誌への連載、大手企業との取引など、これまでには実現できなかった成果を上げることができた。「ネットワーキングスキルを自分のものにできたことで、ビジネスを発展させられている」と実感している。

成果は売上だけではない。プレジデントを務めた経験を通じて、「自分の気持ちと相手の気持ちのバランスを保つことの重要性」も学べた。

素直に話すことが大切だと感じた。今、素直になれない人のためにも。

 松井さんがシェアストーリー全国大会に挑戦した理由は「BNIで一番になる」ため。その手段のひとつとして大会を選んだ。

 コンセプトは「そのときのメンバーに感謝を伝える」こと。困難な時期に支えてくれた仲間への思いを、あえて大勢の前で語った。

 弱みや感謝を多くの人に示したのは、自分のストーリーがBNIメンバーの誰かの背中を押せると確信していたからだ。

評価や見栄よりも、感謝と励ましを優先する姿勢。それが多くの人の心を動かしたのだろう。

個々の能力が発揮できれば、必ず日本のビジネスは強くなる。

 「クリエイター業界で、自分のスタイルに合った能力を発揮し、顧客に価値を提供して自己実現でき、世界で最も稼げる組織を作りたい」—松井さんが人生で掲げるゴールだ。

 BNIにおいては、メンバーの拡大を進めながら、グローバルチャプターを目指している。求めるメンバー像は「各業界のプロフェッショナル」であると同時に、「リーダーシップを学び、経営者として成長したい人」。

 松井さんの目標は、個人の成功を超えた社会貢献にある。「100人の自己実現を支援し、グローバルにビジネスを展開し、次世代のリーダーを育成する」――その理念は一貫して「世のため人のため」につながっている。

文=名城政也