築地 隆佑さん
BNI Anchor(東京港中央)
カテゴリー:ライフストーリー作家®
「BNIは、ただ続けるだけでは成果に結びつかない。本気で向き合ったときに初めて、可能性が広がる」
そう語るのは、ライフストーリー作家®の築地隆佑(つきじ りゅうすけ)さんだ。かつてはBNIを何度も断っていた彼が、いまや各地のリージョンフォーラムに登壇し、グローバルコンベンションにも参加する存在となった。その裏には、“とりあえず続ける”からの脱却と、人生を懸けた実践があった。
最初はアンチ。「辞めよう」と悩んだ日々
築地さんは、独立前に異業種交流会の主催・運営に関わっていた関係で、BNIに対して強い先入観を持っていた。「自由に働くために独立したのに、なんでまた組織に縛られないといけないんだ」と、加入を何度も断ってきたという。
そんな彼が2018年4月に加入を決めたのは、ある紹介がきっかけだった。
「BNIに誘ってくれた方が僕の投稿を見て“面白いことやってるね”と声をかけてくれ、翌日に見込み客を紹介してくれて成約に繋がり、本当に驚きました。また、その流れでAnchorチャプターに招かれ、決めました」
メンバーになってからは意欲的に動いた。半年でビジター24名を招待し、1to1は80回以上。さらに外部への紹介も82件にのぼった。しかし、売上には結びつかず、チャプター内の役職のプレッシャーや周囲の反応に悩み、BNI活動に対して懐疑的になっていた。
それでも、築地さんは辞めなかった。
「BNIを辞めたあと、『BNIは全然ダメだよ』と話す自分が想像できた。それは、自分の力不足を露呈してるだけじゃないかと。それがすごくカッコ悪いなと思った」
人生の崖っぷち──残された環境はBNIだけだった
その後も状況は改善せず、2020年のコロナ禍では、売上が完全にゼロに。もともと外部の仕事に恵まれていたが、それらも止まり、先の見通しも完全に立たなくなった
それでも、彼には絶対に逃げたくない理由があった。愛する人との結婚が決まったばかりだったのだ。
「僕に残されている環境は、BNIだけでした。支えてくれる仲間がいて、頼れる関係性もある。だったら、このフィールドでもう一度立て直そうと決意しました。自分にしかできないことは何か。どんな価値を提供できるのか。本気で考えました」
転機となったのは、新しい商品「バリューシート」の開発だった。
これは、事業にかける想いやストーリーを軸に、価値や魅力を言語化したシート。受け取った相手が“紹介したくなる”仕組みを備えた、いわばブランディングツールだ
「紹介が出ない人には、『メンバーが、その人を上手に紹介できない』という課題があると気づきました。どれだけ良いサービスでも、相手に伝わらなければ紹介にはつながらない。それなら、紹介しやすくなる仕組みを作ろう、と」
こうして2021年1月に完成したバリューシートは、単月で40件の受注を獲得し、売上は200万円に到達。人生の崖っぷちで生まれたアイデアが、大きな反転のきっかけとなった。
向き合い方を変えたら、広がった世界
バリューシートは、特に保険業や士業に大きな支持を得た。紹介されやすくなる仕組みは、サービスの差別化に悩む人たちにとって待望のツールだった。さらに、全国のカメラマンとBNIを通じて提携し、プロフィール写真の質を高め、視覚的な訴求力も飛躍的に向上。事業も急成長していった。
成果が出始めると全国から声がかかった。決定的な転機は、2023年11月のBNIグローバルコンベンション(スペイン・マドリード)だった。世界70カ国以上に広がるBNIを体験しようと海を渡ったのだ。
そこでの出会いが元で、各地のリージョンフォーラムから登壇依頼が相次ぎ、広島・奈良・福井・北九州・神戸などで、BNIでの成功体験と実践事例をシェア。「真剣に取り組み、続けた人にしか見えない景色がある」という実体験が、多くのメンバーに響いた。
また、グローバルコンベンションを通じて世界の仲間と交流し、さらにアメリカでは現地チャプターで初めて英語プレゼンに挑戦した。
こうした積み重ねが、次のチャンスにつながった。2025年のBNIジャパンナショナルカンファレンスで韓国のBNIメンバーと名刺交換した。スピーチコンサルを手がけるそのメンバーから登壇の打診を受け、2025年下半期に韓国での登壇を予定している。
現在、バリューシート単体の売上は累計5,000万円を突破。BNI歴も8年目に入り、活動の幅は国内外へと大きく広がっている。
中途半端は、いちばん時間の無駄
築地さんがいま伝えたいのは、「とりあえずやる」のではなく、「本気で向き合う」ことの重要性である。
「定例会に出ているだけでは、やっぱり結果にはつながりません。定例会以外でやれることはあるか? と自分に問いかけてみると、見落としていたことが必ずあります。トレーニングを最後にいつ受けたか、1 to 1を今週は何回したか、金のガチョウと定期的に1to1をやっているか、参加されたビジターと積極的な交流をしているか、など。意外とやれていないことは多いんです」
彼はこうした自問を続けてきた。成長するために何が必要で、何が足りないかを考え、実際に行動に移す。その積み重ねこそが成果を生み出す原動力だと語る。その一つが、東京港中央リージョンメンバーの中で2024年度の1to1数トップ(555回)として表彰もされた。
BNIに対して半信半疑だった時期を経て、いま築地さんは「BNIを辞める理由がまったくない」と言い切る。出会い、チャンス、学び──すべてを糧にしながら、BNIというフィールドを使いこなし、夢の実現に向けて前進している。
築地さんのこれからの軌跡こそ、BNIが持つ可能性の証である。
文=国場みの