和文化が世界へ ― BNIが拓いた和太鼓奏者の新たな道

2025/04/08

塚本 隼也(つかもと じゅんや)
BNI TRINITY(東京N.E.)
カテゴリー:和太鼓奏者

BNIに入会してわずか1年ながら、活躍の場を大きく広げた塚本 隼也さん。その象徴的な出来事が、2024年の「BNIグローバル・コンベンション」における演奏経験だ。

世界各国のメンバーが集うこのイベントで、日本代表として「ゴッドタレント」に選ばれ、国内外のメンバーとのつながりを深めたことでビジネスの幅も大きく広がった。

そこで今回は、塚本さんがどのようにしてBNIを通じて成長し、チャンスを掴んできたのか、その軌跡を伺った。

和文化を広げたい ― しかし、伝統芸能の壁は厚かった

塚本さんは、和太鼓演奏を通じて「明日から頑張ろう」という前向きな気持ちや活力を伝えることを使命としている。「一種のサービス業かもしれません」と語るように、観客との対話を大切にし、演奏の場を特別な時間にすることを意識している。

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また、和太鼓教室の運営にも力を入れ、生徒にとって「人生の楽しい時間の一つ」となるような環境づくりを目指している。ただ技術を教えるだけでなく、和太鼓を通じて豊かな時間を提供することに価値を置いているのだ。

さらに、日本の伝統芸能を国内外に広めることにも情熱を注いでいる。特に海外の観客に対しては、日本の文化の美しさを伝え、自国に帰った際にその魅力を広めてほしいという想いを持っている。

しかし、伝統芸能の世界は決して容易な道ではない。特に大きな課題となっているのが、若手奏者の減少と経済的な問題だ。「30代でも若手と呼ばれる世界で、20代の奏者はほとんど見られない」という現状に、塚本さんは強い危機感を抱いていた。

迷いの中でBNIと出会い、活路を見出す

和太鼓奏者としての技術はあったものの、「どうやったら演奏の仕事を獲得できるのか?」という営業面の課題に悩んでいた塚本さん。手当たり次第に営業資料を送るなど、試行錯誤を重ねていたが、思うような成果にはつながらなかった。

さらに、伝統芸能界の閉鎖性も大きな壁となった。「競合になるため、誰も営業方法を教えてくれない」という業界特有の環境の中、手探りの状態が続いていた

のだ。

そんな中、様々な交流会に参加する中で転機が訪れる。当時のプレジデントからBNIを紹介され、ビジターとして初めて参加した際に「リファーラルマーケティング」という考え方に衝撃を受けた。「他のメンバーが自分の営業をしてくれる」という仕組みが新鮮だっただけでなく、BNIのグローバルネットワークに大きな可能性を感じたのだ。

特に「海外での演奏機会を増やしたい」と考えていた塚本さんにとって、世界各国にメンバーがいるBNIは、自身の目標を叶えるための理想的な環境だった。

さらに、2020年の独立直後はコロナ禍の影響もあり、パフォーマー全体が厳しい状況に置かれていた。「何か新しい挑戦が必要だ」という切実な思いから、BNIへの入会を決意。この決断が大きな転換点となった。

入会から1年でBNIグローバルコンベンションの舞台へ

BNIでの転機は、思いがけない形でやってきた。担当ディレクターから「ゴッドタレント」への応募を強く勧められたのだ。「応募しないなら他薦する」と言われ、背中を押される形で挑戦を決意。その結果、世界でわずか3名の枠に選ばれる快挙を成し遂げた。

コンベンション当日、演奏前から大きなプレッシャーを感じたという。ネットワーキングの場では、和太鼓の衣装姿を見た参加者たちから「明日演奏する人?」「日本代表だからね!」と声をかけられ、期待と重圧を実感。しかし、そのプレッシャーを乗り越えて演奏をやり切ったことで、大きな自信を得ることができた。

このパフォーマンスは予想以上の反響を呼び、日本内外から称賛の声が寄せられた。さらに、大使館関係者との新たなつながりも生まれ、「個人では実現が難しい国際的なコネクションが、BNIを通じて築ける」という発見もあった。

現在では約100人との1to1の機会を得られるまでに人脈が広がり、全国のディレクターとも繋がりを持つことができた。「コンベンションをきっかけに海外公演が実現できれば、BNIに入会した理由が叶う」と塚本さんは確かな手応えを感じている。

BNIがもたらした成長 ― 演奏家であり経営者へ

BNIでの活動は、塚本さんにとって単なる演奏機会の拡大だけではなく、多面的な成長をもたらした。

まず、ビジネス面での成果が顕著に表れ始めている。2025年の演奏依頼がすでに入り始め、企業の周年記念パーティーや学校公演、チャプターのリージョンパーティーなど、多様な演奏機会を獲得。特に企業のパーティーでの演奏は、リファーラルを通じて実現した大きな成果だ。

また、人前でのスピーチや資料作成など、これまでの音楽活動では経験できなかったスキルも身につけた。「一年で自分がこんなに変わったことに驚いている。BNIに入会していなければ、一年前のままだっただろう」と、自身の成長を実感している。

さらに、経営者としての視点も養われた。演奏活動と教室運営の両立、時間管理、マネタイズの方法など、ビジネスとしての戦略的な考え方を学び、実践することで新たな成果を生み出している。

「パワーのある人が自然と営業マンになってくれる」というBNIの仕組みを、自身のビジネスにも応用できるようになった。このように、BNIでの経験は、塚本さんの活動のあらゆる側面に良い影響を与え続けている。

 

文=名城政也