BNIが世界最大のリファーラル組織へと成長した背景には、その初年度における劇的な拡大と、そこから得られた重要な教訓があります。1985年の創設からわずか1年で、南カリフォルニアを中心に20のチャプターが誕生したプロセスを振り返ると、現在のBNIを支えるシステムの重要性が見えてきます。
口コミだけで広がった「リファーラル・マーケティング」への需要
BNIの初年度、組織の拡大はすべて「口コミ(ワード・オブ・マウス)」によって行われました。当初、創設者は自身のコンサルティング業務のためにリファーラルを必要としていましたが、活動を始めるとすぐに、多くのビジネスパーソンが「紹介を通じてビジネスを広げる具体的な手法」を知らないことに気づきました。
自分たちで試行錯誤するのではなく、体系化された仕組みに従いたいという強いニーズが、広告宣伝を一切行わずに20ものチャプターを誕生させる原動力となったのです。
友情と「責任(アカウンタビリティ)」の重要性
急速な成長の過程で、ある重要な教訓が得られました。それは、チャプター運営において「友情」だけでなく「責任(アカウンタビリティ)」が不可欠であるという点です。
あるチャプターでは、「リファーラルを発表する時間(リファーラルの受渡し)」をアジェンダから外してしまった事例がありました。理由は「リファーラルを持っていないメンバーが、人前でそれを認めることに居心地の悪さを感じたから」というものでした。しかし、その結果、そのチャプターのリファーラル数は激減しました。
この経験から、BNIのミーティングにおいて、単なる親睦だけでなく、お互いにビジネスを支援し合うというプロフェッショナルな責任を果たす仕組みが、成果を上げるために極めて重要であることが証明されました。
教育の「漏れ」を防ぐ:徹底したトレーニング体制
組織が拡大するにつれ、創設者の理念が正確に伝わらない「情報の希薄化(情報の漏れ)」という課題に直面しました。あるリーダーシップチームが次のチームを教え、そのチームがまた次を教えるという連鎖では、バケツから水が漏れるように大切な情報が失われていってしまいます。
この「情報の漏れ」を防ぐために確立されたのが、現在行われている大規模なトレーニング体制です。
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トレーニングの規模:現在では世界中で年間13万時間以上のリーダーシップチーム・トレーニングが行われています。
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専門性の担保:プレジデントやバイスプレジデントなどの役職者がトレーニングを拒否した場合、その重責を担うことはできません。これは「訓練を受けていないパイロットに飛行機を任せることはできない」という考えに基づいています。
伝統を守りながら進化し続ける文化
BNIの強みは、20年以上にわたって培われた「成功の伝統」を守りながら、メンバーからの有益な提案を柔軟に取り入れ、システムを微調整し続けてきた点にあります。
現在のメンバー・サクセス・プログラム(MSP)や、学習コーナーを担当するエデュケーション・コーディネーターなどの役割も、現場からの良いアイデアを実験し、統合してきた結果生まれたものです。
成功のための共通言語
BNIの初年度に学んだ最大の原則は、急速に成長する中でも「伝統とシステムを維持すること」と「常に改善を模索すること」の両立です。メンバーの皆さまが、トレーニングを通じてこの「共通言語」を深く理解し、実践することが、自身のビジネスを成功に導く最短ルートとなります。
※本記事は、英語版「The Official BNI Podcast」Episode 19: Givers Gain, Chapter Three の内容をもとに、日本向けに再構成・編集しています。