戦略的に使い倒す──BNIを通じて広がった国際ビジネスの可能性

2025/12/02

鈴木 明弥さん

BNIは、ただ人脈を広げるだけの場ではない。戦略的に活用すれば、国内外のビジネスを切り拓く強力なプラットフォームとなる。そのことを体現してきたのが、2019年に入会した鈴木明弥(すずき あや)さんである。

鈴木さんはBNIを「仕組みと情報のプラットフォーム」と定義し、グローバルネットワークを駆使して成果を上げてきた。さらに、日本人として初めて国際顧問理事会(IBOA)の一員に選出された実績も持つ。彼女の歩みは、BNIをどう活用すれば成果につながるのか、その具体的なヒントに満ちている。

チャプター選定とグローバルへの視座

入会当時、鈴木さんはイタリア留学支援や通訳・翻訳、企業の海外出張サポートを手がけていた。しかし事業の拡張に限界を感じ、新しい領域として、インバウンドや貿易を見据えていた。

チャプターを選ぶ際には、自由度が高く実際にビジネスが大きく動いている環境を求め、最終的にBNI SRを選択。ビジター参加時には高額リファーラルが成立する瞬間を目の当たりにし、さらにその場で、4ヶ月後のBNIグローバルコンベンション(ポーランド、ワルシャワ開催)への参加を誘われた。

「ビジターの段階で『一緒にワルシャワのグローバルコンベンションに行きませんか』と声をかけていただきました。ここならBNIをグローバルに活用できると直感しました」

その後、実際にBNIグローバルコンベンションに参加。また、海外BNIの状況を自分自身で体感するためにイタリアの複数チャプターを視察し、現地ディレクターとの関係を築くなど、世界規模でのネットワークを確立していった。

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コロナ禍での事業転換

2020年、コロナ禍によって留学事業は全面停止。鈴木さんは即座に新規事業として貿易支援事業への参入へ舵を切った。

「素人の挑戦だと最初は笑われましたが、撤退ラインを2年と決めて徹底的に学び、必要な専門家をBNIを通じて集めました。経験や実績がない分、本気で取り組まなければ成果は出ないと思ったのです」

貿易は市場調査から貿易に関する様々な法令の遵守、物流構築、代理店開拓まで多岐にわたる工程を伴うため、一人では到底完結できない領域である。それは、海外進出を始めたい企業にとっても同じ課題。

そこで鈴木さんは、案件ごとに最適な専門家を集めるチーム型の体制を選んだ。このとき大きな支えとなったのがBNIだった。ウィークリープレゼンで具体的に「こういう人を紹介してください」と呼びかけたことで、自分にない専門性を持つ多くの仲間と繋がることができた。

その成果のひとつが、イタリア発の電子リコーダーの日本市場参入プロジェクトである。BNIの国際リファーラルを起点に、国内外のメンバーを動員して成功に導いた。この経験は、農林水産省の輸出コンサルティング事業の受託へと発展していった。

IBOAメンバーに日本人として初選出

国際的な実績と積極的な発信力が高く評価され、鈴木さんはBNIの国際顧問理事会(IBOA)の一員に、日本人として初めて選出された。

IBOAは世界各国の代表メンバーが集まり、BNIの未来を議論する舞台である。長い歴史を持つ欧米諸国のメンバーが多くを占める中、日本からの参画は極めて異例であり、快挙ともいえる出来事だった。

「海外メンバーとの実際のビジネスを進める上で感じた課題や、現場での声をグローバルに届けたいと思いました。自分が積極的に発言することで、BNIをさらに使いやすい場にしていきたいと考えていました」

BNIの国際的な議論の場で、日本の現場感覚を発信できる立場を得たことは、個人の成果にとどまらず、日本のメンバー全体にとっても大きな意味を持つ。鈴木さんの挑戦は、まさにBNIジャパンの存在感を世界に示す第一歩となった。

地方自治体インバウンド支援へ

現在は地方自治体向けのインバウンド支援を事業の軸に据えている。鈴木さんのスタイルは徹底した現場主義だ。机上でプランを描くのではなく、必ず地域を訪れ、住民の声に耳を傾ける。そこで浮かび上がる歴史や文化、特産品といった地域資源を掘り起こし、外から訪れる人々に伝わる形へと磨き上げていく。

こうした取り組みには観光、食、教育、広報など多様な分野の専門性が欠かせない。そのため鈴木さんは、BNIで培った「案件ごとに最適なメンバーを集める発想」を応用し、自治体案件でもチームを組んで推進している。

頻繁な移動を伴う働き方に変化する中でも、BNIで培った考え方は彼女のビジネスの根幹に息づいている。

成功の秘訣──案件起点のチームづくり

BNIで成果を上げる秘訣について、鈴木さんは明快に語る。

「自分のメニューを売るのではなく、お客さまの困りごとを聞き、それを解決できるチームを組むことです。提案の網羅性と実行力があれば、自然と案件は決まります」

顧客課題の“完全解決”を出発点とし、そこから逆算してチームを組み立てる──その戦略が鈴木さんの成果を支えた。BNIのネットワークを活かせば、一人では不可能な領域にも手が届く。課題を的確に把握し、必要な専門家を揃えて提案することで、信頼は積み重なり、案件は必然的に実を結んでいった。

BNIを「仕組みと情報のプラットフォーム」と捉え、戦略的に使いこなした鈴木さん。その姿勢は今も変わらず、彼女の事業の中に息づいている。彼女の歩みは、BNIをどう活かすかを考える全てのメンバーにとって、確かな指針となるだろう。

文=国場みの