2023年9月21日に開催されたビジネスブースタープログラムでは、元トーストマスターズ・インターナショナルディストリクト76ディレクターの東 公成(あずま きみなり)さんがゲストとして登壇。
東さんは、現在『合同会社 東 公成事務所』として独立しており、BNI EAGLE(東京N.E.)のメンバーとして活動している。
今回は、トーストマスターズとBNI、それぞれについて東さんの考えを伺った。
トーストマスターズのプログラムについて教えてください
毎回、約2時間のプログラムを行っています。
プログラムを順番に説明すると、最初に即興スピーチを行う「テーブルトピック セッション」。一つのテーマを与えて、テーマについて最大2分30秒スピーチを行ってもらいます。
テーブルトピックセッションが終わった後は、各メンバーが準備してきた約7分30秒のスピーチを、2~3名に行ってもらいます。
スピーチが終わった後は、エバリエーターとよばれる論評者から、スピーチに対しての論評として、良かった点やもっと良くするための提案を最大3分30秒で伝えていきます。
最後にジェネラルエバリエターと呼ばれる総合論評者が例会全体の良かった点や改善点を伝えて、終了の流れです。
トーストマスターズクラブに入会されて、ご自身のスキルの変化を実感した時期を教えてください
トーストマスターズには色々なスキルがあります。そのなかで、私が求めていたのは英語で司会をするスキルだったのですが、この点については早く身につけられました。英語の司会というのは、ある程度のパターンがあるので、パターンさえ覚えてしまえば、簡単に出来てしまいました。
次に身につけたスキルは、例会プログラムにある準備スピーチです。
トーストマスターズに入会した頃は、英語で行うスピーチの経験がなく、とても大変だったのを覚えています。自分で何度も練習しながら、バリエイターの方にフィードバックをいただきながら、2年ほどでコンテストに出場できるほどのレベルにはなりました。
一番時間がかかったのは、テーブルトピックセッションです。お題を与えられて話すだけではなく、皆さんにわかりやすいように話さなければいけないので、完全に身につくまでには4~5年かかっています。
同じ位の期間がかかった上に難しかったのが、論評です。論評は、スピーカーの話しも理解しなければいけませんし、そのとき聞いた話に対してフィードバックをしなければいけません。一通りできるようになるまでは、5年ほどかかりました。
BNIに入会されたきっかけについて教えてください。
前提として、トーストマスターズの頃からBNIの存在は知っておりました。ご縁で大野代表とお会いしたこともあります。しかし、当時の私はサラリーマンだったので、BNIに入会するという決断には至りませんでした。
それから、現在「合同会社 東 公成事務所」として独立し、仕事に悩んでいるときにトーストマスターズで知り合った社労士さんからBNIに誘われ、入会を決意したという流れになります。
BNIの活動で印象的に感じたところはありますか?
メンバーのコミットメントが深いというのが、一番の印象です。例えば、リファーラルの発表です。「今週はリファーラルはありませんでした」というのがないように、皆さん一生懸命コミットし、毎週の活動を自分の中で落とし込んでいます。
トーストマスターズでも目標は立てますが、目標に対して1to1をしたりと、あらゆるところにコミットメントする強さを感じられます。
トーストマスターズで「伝える」を学ばれてきた東さんのスキルはウィークリープレゼンなどでも役立っていますか?
BNIに入会したばかりの頃は、30秒のウィークリープレゼンは簡単だと考えていました。しかし、実際にプレゼンをしてみると、USPを入れないと聞いた人がどのような紹介をして良いかわからないということになってしまうのです。そのために、まずは自身のビジネスの深掘りを徹底的に行いました。
「ただ30秒話す」というだけであれば苦手でもなければ好きなことでもあるのですが、自分USPを深掘りした上でどんな人を繋いでほしいかまでまでわかるように伝えるという点については、現在でも悩んでいる部分です。
工夫としては、とにかく自分のウィークリープレゼンを見直すこと。何度か同じ内容を繰り返して、皆さんに覚えてもらったら新しい内容に変えて……という形で行っています。後は、キースキルズトレーニングでウィークリープレゼンテーションを学ぶこともとても重要だと考えています。
トーストマスターズとBNIの両方の活動を含めて、東さんの目標はどのように定められていますか?
現在61歳ですが、還暦を迎えたあたりから、人生の残り時間を考えるようになりました。親しい友人が亡くなったり著名人が亡くなったりする話しを聞くようになるので、やはり自分もいつまで生きられるかわかりません。だからこそ、今この瞬間を大事にしなければいけないと思うようになりました。
ただ、私は自分の人生の終わりも決めていて、74歳には仕事をやめて、ボランティアをやっていこうと考えています。74歳までの売上の目標がいくらと言えたら良いのですが、私はそれよりも誰かに貢献して「ありがとう」って言ってもらえる、私も「ありがとう」と言う関係を一番に大事にしていきたいと思っています。
文=名城政也