お隣り韓国で、素晴らしい社会貢献が行なわれています。知る人ぞ知る活動ですが、その内容は示唆に富んだもので、世界中の社会貢献団体が見習うべき取り組みだと思います。その活動の名は「The Journey」。内容を詳しく見ていきましょう。
一般人が英雄になるまでの道程
アメリカの神話学者ジョセフ・キャンベル氏は、世界中の神話を研究していく中で、英雄は生まれながらに英雄ではなく、ある条件を辿った末に英雄になっていく、という“英雄への旅”=The Hero’s Journeyをまとめてきました。生まれも育ちも関係なく、誰でも英雄になれる、そんな思いを込めてこの活動を「The Journey」と名付けました。
どうやって世の中に貢献するか
この活動を始めたのは、韓国生まれで、BNI韓国のナショナルディレクターであるJohn Yoon氏。ニューヨークや東京で弁護士として活躍していましたが、突然医師から告げられたのは「アルツハイマー病」。絶頂からどん底に落とされた気分で、今後どう生きていくのか悩んだそうです。自分の才能でどう世の中に貢献できるか、悩みに悩んだ結果、弁護士の経験を活かし、法律事務所の社内コーチとして、人材育成の道を切り開いていきました。

2012年、韓国に戻り、仲間と共にビジネスを展開し始めるのですが、2014年、ある光景に出会います。児童養護施設の前を通ったとき、子どもたちの目が、まとう空気が、とてもいたたまれなかったそうです。子どもたちは高校を卒業すると、施設からの援助はストップ。施設出身ということだけで“見えない差別”が存在し、徐々に孤立していくことが、韓国社会の見えざる部分でした。
「その子どもたちに手を差し伸べたい」。仲間と共に始めたビジネスはそれができるのではないか、そう考えインターンシップ制度を作り、興味のある仕事を体験できるようにしたそうです。仕事の種類は、200種以上。ソウル市にも提案し、ビジネスプログラムとしてスタートを切ったのです。
視点が違う「The Journey」
高校1年生を対象に始めた「The Journey」。面接をして選抜した子たちは3週間の期間をインターンシップとして過ごします。その間、毎月1回は社会に通用する人材になるための座学トレーニングも開催、奨学金も寄付金もあり、選ばれた子どもたちは目を輝かせ、インターンシップを全力で楽しんでいるそうです。イベントのときには写真を撮り合い、積極的な素顔を見せてくれます。
上記のことは、日本にいると当たり前のように聞こえますが、韓国の事情は少し違います。実際にボランティアで子どもたちに接する人もいるそうですが、その時の子どもたちは写真を撮りたがりません。とても消極的なのだそうです。それは何故か。子どもたちは肌で感じているのです。そのボランティアが大人たちの“社会貢献アピール”の一つになっていることを。ボランティアで来る大人たちの目がいつも“差別”を持って見ていることを。「私は素晴らしいから、みすぼらしいあなたたちを助ける」と。
「The Journey」のときは何故積極的なのか。インターンシップ先の会社の仲間たちは、子どもたちを“英雄”として見ているからです。子どもたちはこの先の未来で英雄になる、その道のりをそばにいてサポートする。そういう視点で見ているのです。そして子どもたちが高校を卒業した後、お互いに助け合う共同体を作っていけるよう、サポートする役割に徹しているのです。何故なら、John Yoon氏の仲間たちは共同体の大切さを身にしみて感じているからです。
新しいビジネスチャンスの土壌
「The Journey」とは未来の“人財”を作り続けるプログラム。自分は辛くても、困っている人を助ける意識が高まるプログラム。John Yoon氏は言います。「厳しい時期はどうしても生き残らないといけなくなり、結果視野が狭くなっていきます。助けてほしいというだけでは、『仕事をクレ』という考えにしかたどり着けません。そこに“人を助けながら”という言葉をプラスするだけで、ビジネスチャンスは生まれていきます。社会貢献をしている人はエネルギーが強い人です。そういう人たちの周りには新しいビジネスチャンスを生み出す土壌ができています」。
もしあなたの周りにエネルギーの強い人がいたら聞いてみてください。もしかするとあなたの今のビジネスを変えてくれるヒントがあるかもしれません。
※このブログはBNIビジネスブースタープログラム シーズン4エピソード4からのサマライズです。